フォード初のEVピックアップトラック、航続は最長515kmに…今春から米国納車へ

ツインモーターは最大出力563hp

内燃エンジン搭載車とは異なるEV専用エクステリア

他のEVを車車間充電できる機能をオプション設定

フォード F-150 ライトニング
フォード F-150 ライトニング全 12 枚

フォードモーターは3月21日、フォードF-150ライトニング』(Ford F-150 Lightning)のEPA(米国環境保護局)認定の航続が、最長で515kmになるとの見通しを発表した。今春から米国で納車が開始される予定だ。

◆ツインモーターは最大出力563hp

F-150ライトニングには、フォードモーターの最新の電動化テクノロジーが搭載されている。前後アクスルに搭載されるモーターは標準モデルが最大出力426hp、上位モデルが最大出力563hp。最大トルクは、どちらも107.2kgmを引き出す。強力なツインモーターは4輪を駆動し、上位モデルの場合、0~96km/h加速4秒台半ばの性能を発揮する。最大積載能力は標準モデルで約900kg。牽引能力は上位モデルで4.5トン以上を目標に掲げている。

バッテリーは新世代の水冷式リチウムイオンだ。バッテリーの蓄電容量には2種類がある。充電に関しては、自宅向けに80アンペアの充電システムを標準装備した。デュアルオンボード充電システムを利用すれば、さらに高速な自宅での充電を可能にする。フル充電にかかる時間は約8時間だ。

外出先では、北米最大の公共充電ネットワークに「FordPass」を通じてアクセスできる。全米の6万3000か所以上の充電ステーションでは、最大出力150kWでDC急速充電が行える。10分で最大約87kmの航続に必要なバッテリー容量を充電可能。約40分でバッテリーの80%を充電できる。

フォード F-150 ライトニングフォード F-150 ライトニング

◆内燃エンジン搭載車とは異なるEV専用エクステリア

内燃エンジン搭載のF-150とは異なるEV専用のエクステリアを採用する。フロントマスクを横切るLEDライトバーが選択できる。空力性能も追求されており、新設計のランニングボード、空気抵抗を減らすためのフロントフード、専用デザインの空気取り入れ口を設けたグリルなどがある。

エンジンを持たないフロントフードの中には、多用途の「ハイテクメガパワートランク」が設けられた。この収納スペースは安全にロック可能で、電動開閉システムでアクセスできる。収納スペースは、400リットルの容量を備えており、約180kgまでの荷物の積載が可能。フォードモーターは、機内持ち込み手荷物2個とスーツケース1個、またはゴルフクラブ2セットを収納するのに充分という。

最新のコネクティビティとして「SYNC 4A」が初採用される。これは、15.5インチの大型タッチスクリーンを核としたシステムだ。SYNC 4Aは、自然な音声コントロール、クラウドに接続されたナビゲーション、Apple 「CarPlay」、グーグルの「Android Auto」へのワイヤレスアクセス、アマゾン(Amazon)の「アレクサ(Alexa)」や「SYNC AppLink」アプリの車載化を実現している。

ドライバー正面には、12インチのデジタルインストルメントクラスターを採用した。重要な情報を表示するとともに、カスタマイズ可能なインターフェイスを備えている。アニメーショングラフィックスには、回生ブレーキによるバッテリーへの蓄電状況など、各種情報を分かりやすく表示する。

フォード F-150 ライトニング にオプション設定された車車間充電システム「プロパワーオンボード」フォード F-150 ライトニング にオプション設定された車車間充電システム「プロパワーオンボード」

◆他のEVを車車間充電できる機能をオプション設定

他のEVを車車間充電できる機能をオプション設定した。このオプションは、「プロパワーオンボード」と呼ばれるものだ。発電機と大容量バッテリーシステムのおかげで、他のEVを車車間充電することができる。車車間充電には、専用の240ボルトコンセントを使用する。

プロパワーオンボードの充電出力は、9.6kWと7.2kWの2種類だ。たとえば、F-150ライトニングのプロパワーオンボードを、フォード『マスタング』シリーズのEV、『マスタング・マッハE』に接続すると、20マイル(約32km)の航続に必要なバッテリー容量を1時間で充電できる。

F-150ライトニング同士の車車間充電では、最大13マイル(約21km)の航続に必要なバッテリー容量を1時間で充電可能。商用EVのフォード『Eトランジット』に接続した場合、10マイル(約16km)の航続に必要なバッテリー容量を1時間で充電できる。フォードモーター以外の自動車メーカーのEVを充電することも可能、としている。

フォード F-150 ライトニングフォード F-150 ライトニング

《森脇稔》

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