神戸・三宮が「ひとつの大きな駅」に…新駅ビルに着手へ 2029年度開業

JR三ノ宮駅新駅ビルのイメージ。敷地面積約8600平方m、延床面積約10万平方m。地下2階、地上32階、塔屋2階の規模で、高さは約160m。
JR三ノ宮駅新駅ビルのイメージ。敷地面積約8600平方m、延床面積約10万平方m。地下2階、地上32階、塔屋2階の規模で、高さは約160m。全 6 枚

JR西日本、独立行政法人都市再生機構西日本支社(UR)、神戸市の3者は3月30日、JR三ノ宮新駅ビル開発の概要を明らかにした。

商業施設でにぎわう神戸市の三宮周辺は、JR東海道本線(JR神戸線)のほか、阪神電気鉄道(阪神)本線、阪急電鉄(阪急)神戸本線、神戸高速鉄道、神戸市営地下鉄(西神・山手線、海岸線)、神戸新交通ポートアイランド線が集まる交通の結節点となっており、1日の乗降客数は70万人以上にも上る。それだけに、「乗換動線がわかりにくい」「駅から周辺のまちへのつながりが弱い」「広場など人のための空間が少ない」といった問題を抱えており、改善が待たれていた。

そこで神戸市は2015年9月に三宮周辺地区の再整備基本構想を、2018年9月には神戸三宮「えきまち空間」基本計画を策定。三宮周辺にある6つの駅を「ひとつの大きな駅」として捉え、その核として人と公共交通を優先する「三宮クロススクエア」を整備する方針を打ち出した。

神戸三宮「えきまち空間」基本計画の概要。神戸三宮「えきまち空間」基本計画の概要。
新駅ビルを核とした三宮地区各駅の乗換動線イメージ。新駅ビルを核とした三宮地区各駅の乗換動線イメージ。

一方、JR西日本は、三ノ宮駅の南側に位置し、2018年3月に閉館した駅ビル「三宮ターミナルビル」の跡地を活用した新しい駅ビル建設を計画。三宮クロススクエアと新駅ビルを一体化して「えきまち空間」を構築したい神戸市の思惑が一致し、これにURが相乗りする形で2021年9月、三宮周辺の再開発が推進されることになった。

人に優しい広場となる三宮クロススクエアのイメージ。人に優しい広場となる三宮クロススクエアのイメージ。

そして2021年10月には3者間で「JR三ノ宮新駅ビル及び三宮周辺地区再整備の推進にかかる連携・協力に関する協定」が締結され、神戸市は「事業実施に必要な行政手続き及び公共施設の整備等」、JR西日本は「JR三ノ宮駅新駅ビル開発計画の実現」、URは新駅ビル建設の共同事業者として「公共空間の整備や民間開発等に対するコーディネートによる事業推進」を担うことになった。

新駅ビルは高さ約160mの32階建てで、商業施設やホテル、オフィスの入居を想定。総事業費は約500億円が見込まれており、2023年度の着工、2029年度のオープンを予定している。

三ノ宮新駅ビルのエクステリア。三ノ宮新駅ビルのエクステリア。

JR西日本にとっては、大阪駅のうめきた、広島駅ビルに続くビッグブロジェクトとなり、2021年9月に発表された公募増資による資金調達が三宮の新駅ビル計画にも反映されることになりそうだ。

新駅ビルとともに整備される駅前広場には、にぎわい創出のひとつとして上空にデッキが設けられる。新駅ビルとともに整備される駅前広場には、にぎわい創出のひとつとして上空にデッキが設けられる。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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