レトロなデザインのバイクが増えている理由は? 東京モーターサイクルショー出展車両を見て考える

東京モーターサイクルショー2022に展示されたレトロスタイルのバイクたち
東京モーターサイクルショー2022に展示されたレトロスタイルのバイクたち全 21 枚

少し前から、レトロなデザインのモーターサイクルが目につくようになってきた。代表格は、2017年に発表された川崎重工業(カワサキ)の『Z900RS』だろう。1970年代に一斉を風靡した大型バイク「Z1」「Z2」を連想させるスタイリングで、いまなお根強い支持を受ける。

『Z900RS』のライバルとなるか、『ホーク11』と『XSR900』

ホンダ ホーク11(東京モーターサイクルショー2022)ホンダ ホーク11(東京モーターサイクルショー2022)

3月下旬に開催された「東京モーターサイクルショー2022」では、本田技研工業(ホンダ)がライバルになりそうな新型車を出展してきた。『ホーク11』だ。

ホークは1970年代から80年代にかけて250/400ccクラスに投入された車種に使われたネーミング。それを『CRF1100Fアフリカツイン』や『レブル1100』と基本的に同じ1100cc並列2気筒エンジンで蘇らせた。

排気量はZ900RSより大きいが、レブル1100に匹敵する価格が実現できれば競合になるかもしれない。

ヤマハ XSR900(東京モーターサイクルショー2022)ヤマハ XSR900(東京モーターサイクルショー2022)

ヤマハ発動機はスポーツヘリテージというカテゴリーで『XSR900』と『XSR700』を販売している。今回のショーではZ900RSと同排気量の3気筒エンジン搭載車のXSR900がモデルチェンジ。1980年代のレーシングマシンが取り入れていた「ゴロワーズカラー」を連想させるブルーをまとってきた。

「Z」50周年を祝うファイアボールカラーの“復刻ザッパー”

カワサキ Z650RS 50thアニバーサリー(東京モーターサイクルショー2022)カワサキ Z650RS 50thアニバーサリー(東京モーターサイクルショー2022)

迎え撃つカワサキはZ1デビュー50周年ということで、当時を象徴する「ファイアボールカラー」をZ900RSに加え、昨年秋に発表した弟分の『Z650RS』にも展開してきた。

Z650RSのモチーフは「ザッパー」の愛称で親しまれた1970年代の「Z650」だが、エンジンは並列2気筒としている。4気筒のZ900RSとの差別化を図るためもあろうが、軽快なハンドリングが期待できる。

2021年秋に発売された『メグロK3』もレトロモデルになる。こちらは1924年に創業し、1960年にカワサキに吸収されたメグロブランドの復刻だ。ベースは『W800』だが、Wシリーズの祖先は「メグロ・スタミナK1」に行き着くので、ルーツを辿ったモデルでもある。

レトロスタイルに舵を切ったBMW

BMW R18(東京モーターサイクルショー2022)BMW R18(東京モーターサイクルショー2022)

輸入車はハーレーダビッドソンのローライダーやトライアンフ・ボンネビルのように、長年同じスタイリングで作り続けできたモデルが多いが、一方で明確にレトロ方向を向いた車種もある。

BMWモトラッド(モーターサイクルを示すドイツ語)の『Rナインティ』と『R18』はその代表格で、創業以来使い続ける空冷水平対向2気筒エンジンを積むヘリテージシリーズとして位置付けられている。

Rナインティは2013年発表。排気量は1100ccで、4つのスタイルから選べる。2年前に登場したR18はその名のとおり、BMWモトラッドで最大の1800ccとなるクルーザーで、4タイプを用意している。

バイクは「乗り物らしさ」が堪能できる存在

ホンダ ダックス125(東京モーターサイクルショー2022)ホンダ ダックス125(東京モーターサイクルショー2022)プジョー ジャンゴ(東京モーターサイクルショー2022)プジョー ジャンゴ(東京モーターサイクルショー2022)

小排気量のレトロモデルはホンダが充実。『モンキー125』、『ハンターカブCT125』に加えて、『ダックス』も125ccで復活した。輸入車ではイタリアのランブレッタ、フランスのプジョーといったスクーターが目をひいた。

四輪車同様、二輪車も社会環境の変化で、パワーやスピードをストレートに追求するのが難しくなってきた。それでも電動化や自動化の影響を大きく受ける四輪車と比べると、乗り物らしさが堪能できる存在であり続けている。レトロバイクの人気は、そんな部分に惹かれるユーザーが増えているためもあるだろう。

《森口将之》

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