【プジョー 308 新型】デザイン刷新、64kmのゼロエミッション走行可能なPHEVも設定

プジョー308SW PHEV
プジョー308SW PHEV全 9 枚

ステランティスジャパンは、プジョーのCセグメントコンパクトカー『308』および『308SW』を9年ぶりにフルモデルチェンジし、4月13日より受注を開始した。

新型308は新エンブレムを含むエクステリアデザインを刷新。インフォテイメントシステム「i-Cockpit」をプジョー初採用し、先進運転支援システムをアップデートした。ボディタイプは従来通りハッチバック(HB)、ステーションワゴン(SW)の2バリエーションを用意する。パワートレインは1.2リットルガソリン、1.5リットルクリーンディーゼルに加え、1.6リットルガソリンをベースとしたPHEVの3種類を設定し、ギアボックスはすべて8速AT。グレードはエントリーモデルの「アリュール」、上級モデルの「GT」の2種類で構成する。価格は305万3000円から530万6000円。

◆サイズアップでゆとりあるキャビンスペースと積載能力を提供

新型308は、プラットフォームにマルチエナジー対応のEMP2を採用。ボディサイズはHBが全長4420mm(先代比+145mm)×全幅1850mm(同+45mm)×全高1475mm(同+5mm)、ホイールベース2680mm(同+60mm)。SWは全長4655mm(同+55mm)×全幅1850mm(同+45mm)×全高1485mm(同+10mm)、ホイールベース2730mm(同±0mm)。両タイプとも先代からひと回り大柄化しており、ゆとりあるキャビンスペースと積載能力を提供する。

また、最新技術を投入したパワートレインと軽量ボディにより、WLTCモード燃費は「308アリュール」が17.9km/リットル、「308アリュールBlueHDi」が21.6km/リットルを達成。優れた環境性能を実現している。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リアがトーションビーム式。ブレーキは全グレード、フロントがベンチレーテッドディスク、リアがソリッドディスク。ホイールはアリュールでは前後225/45R17、GTは前後225/40R18となる。

◆新エンブレムを配置する大型フロントグリル

新型308はフロントフェイスを刷新。独創的なデザインのフロントグリル中央には新しいプジョーエンブレムをセンターピースとして配置する。ヘッドランプにはプジョー初の超薄型マトリックスLEDテクノロジーを採用。彫りの深いスリムなデザインにより新型308のダイナミクスとアイデンティティを強調している。

また、60mm延長されたホイールベース(HB)により伸びやかなサイドシルエットを生み出すとともに広い後席スペースを確保した。ニースペースは30mm拡大、リアシート着座位置は20mm低くなりヘッドクリアランスを向上。低く滑らかなラインを描くノーズはボンネットを長く見せ、大きく張り出したフロント&リアフェンダーが躍動的で力強いキャラクターを表現している。

リアデザインでは、ルーフ上部のロングスポイラーやリアを横切る特徴的なラインなど、空力性能とパッケージングを両立するために最適化。リアライトにも3DフルLEDテクノロジーを採用し(GT)、3本のライオンのかぎ爪をイメージした、モダンなプジョーブランドならではのライトシグネチャーを表現している。

◆SWは高い積載能力を維持しながらよりダイナミックに

SWは、アクティブで洗練されたプロポーションを持つスポーツワゴン。一般的なSUVを上回るドライビングプレジャーと積載性を備える。新型308SWは、ゆったりと傾斜する独特なルーフラインに対して、サイドのウインドーラインを早く傾斜させることにより、高い積載力は維持しながら、SWによりダイナミックな印象を与えている。また空力性能でもHBを上回っている。リアエンドのデザインは個性的で、彫りの深い立体的なラインや、クロームのリアデコレーションがスタイルに安定感と高級感を添えている。

ボディサイズはHB比で全長+235mm、ホイールベース+50mm延長。伸びやかなフォルムと、後席および積載スペースの拡大に貢献している。2列目シートバックは、4:2:4の3分割可倒式となっており、2ポジションラゲッジフロアなど、ラゲッジルームの使い勝手を大幅に向上している。またGTグレードではパノラミックサンルーフと電動テールゲートを標準装備。最大積載量は608リットル(5人乗車時)/(1634リットル:2人乗車フルフラット時)で、『3008』(520リットル)や、『508SW』(530リットル)をも上回る。

◆先進のマトリックスLEDヘッドライトを搭載

新型308はプジョー初となるマトリックスLEDテクノロジーを採用したフルLEDアダプティブヘッドライトを搭載。マトリックスLEDヘッドライトは超薄型(約7cm)で、複数の機能を備える。

ロービームは充分な光量を得るために4つのLEDで、ハイビーム機能は20個のマトリックスモジュールによって構成。フロントガラス上部のカメラが検出した周囲のデータから、マトリックスLEDを自動的に最適な明るさに調整し、他のドライバーを幻惑させることなく、ハイビームをオンの状態に保つ。夜間の追い越し、対向車などが車両に接近した場合にはハイビームの一部がオフになり、「シャドウトンネル」を形成する。

◆新世代i-Cockpitで快適なドライビング空間を創出

新型308は新世代のコックピットレイアウト「i-Cockpit」を採用。コックピットは水平基調でシンプルかつハイクオリティなもので、ドライバーオリエンテッドにレイアウトされた、快適かつ適度に囲まれ感のあるドライビング空間とした。

従来はステアリング裏側のコラムに配置していたADAS(アクティブクルーズコントロール、レーンポジショニングアシスト、スピードリミッター機能)スイッチをステアリングパッド左側に集約し、より安全に使い易く変更。右側にはオーディオ、ボイスコントロール(GT)スイッチを配置した。GTはステアリングヒーターを標準装備。また、パドルシフト(ICE)はステアリングと一体型となった。

ドライバーの目線の高さには10インチのデジタルヘッドアップインストルメントパネルを配置。複数のモード(ラジオ/メディア、運転支援、エネルギーフローなど)があり、ナビゲーションのガイドを表示することもできる(GT)。ダッシュボードのセンターには10インチに大型化されたタッチスクリーンを搭載する。タッチスクリーン下方にはデジタルショートカットスイッチ「i-toggle」を展開。エアコン、電話、オーディオ、ADAS、アプリケーションなどへのタッチ式スイッチとなっている。

「GT」グレードには高性能で効率的なコネクテッド機能「I-Connect Advancedを搭載。プローブ交通情報を活用した広域リアルタイムトラフィック情報が取得できる。また、ボイスコントロール機能は音声認識コマンド「OK、プジョー」で起動。ナビゲーション、エアコン、シートヒーター、オーディオ、電話、天気予報検索などさまざまな機能を声で作動、変更、停止できる。

◆運転支援システムは最新世代へアップグレード

新型308はマルチファンクションカメラ(夜間、二輪車、歩行者検知機能)を改良したほか、フロントカメラ(GT)/両サイドカメラ(GT)/後左右コーナーのレーダーを備えたことで、ADASにプジョー初採用となる機能を追加し、大幅なグレードアップを図った。

360°ビジョン/4カメラ(GT)は、前後左右4つのカメラで、クリアな俯瞰映像、前方、後方、右側、左側、前方ワイド、後方ワイドの7つの個別映像が確認可能。画質の向上も果たしている。ブラインドスポットモニターシステム・ロングレンジは、前後バンパー4か所に内蔵されたレーダーにより、最大約70m後方からの接近車両を検知し、ドアミラーの警告灯が点灯する。

リアトラフィックアラートはリアバンパー内蔵のレーダーを使用し、後退時に接近してくる車両、自転車、歩行者などを検知して警告。ポストコリジョンセーフティブレーキは、衝撃を受けエアバッグやシートベルトプリテンショナーが作動すると、自動的にブレーキをかけ、二次的な衝突を防止する。

◆PHEVはEV走行距離は64km、最高速度135km/h

新型308は、EMP2(Efficient Modular Platform)マルチエナジープラットフォームの進化版(V3)をベースにしており、電動化モデルを展開することが可能になった。1.2リットルガソリン、1.5リットルクリーンディーゼル、そして1.6リットルPHEVの3つのパワートレインを用意。トランスミッションは全モデル8速ATで、全モデルがエコカー減税対象となり、PHEVはクリーンエネルギー自動車補助金が交付される見込み。

1.2リットル3気筒DOHCガソリンエンジン(EB2)は最高出力130ps/最大トルク250Nm。燃費17.9km/リットル(WLTCモード)で先代から13%改善した。1.5リットル4気筒DOHCディーゼルエンジン(DV5)は最高出力130ps/最大トルク300Nm。最新プラットフォームとギア比の変更などにより燃費は5%改善し、21.6km/リットル(WLTCモード)となった。

PHEVは1.6リットル4気筒DOHCエンジン(180ps)+フロント電動モーター(110ps)により、システムトータル225ps(フランス本社公表値)を発揮する。容量12.4kWhのリチウムイオンバッテリーをリアアクスル下に搭載。3つのドライブモードを搭載する。

「エレクトリック」は電力で走行するゼロエミッションモード。システムのデフォルトで、バッテリー残量がある場合は優先的にEV走行を選択する。EV走行可能距離は64km(WLTC、HB)、最高速度135km/h。アクセルペダルを大きく踏みこむようなシーンではエンジンも稼動する。充電時間の目安は200V 3kWチャージャーで約5時間、6kWで約2時間半となる。

「ハイブリッド」はモーターとエンジンを総合的にコントロールする効率の良い走行モード。始動時は バッテリー残量がある限りエレクトリックでスタートする。特に市街地のゴーストップが多いエリアでは、ガソリンエンジンに比べて大幅に燃料消費量を削減できる。

「スポーツ」はダイナミックな走行のためにエンジン主体で駆動する走行モード。シフトアップのタイミングを遅らせて、エンジンから高出力を引き出す。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 新型『CLA』を生産するメルセデスベンツ「最新デジタル工場」の現場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る