メルセデスベンツのミドルセダンEV『EQE』、航続は654km…欧州発売へ

セグメント独自のキャブフォワードデザイン

「EQE350+」には最大出力292hpのモーターを搭載

フローティングコントロールクラスターを採用

メルセデスベンツ EQE
メルセデスベンツ EQE全 10 枚

メルセデスベンツは4月13日、新型EVの『EQE』(Mercedes-Benz EQE)を4月後半、欧州市場で発売すると発表した。ドイツ本国でのベース価格は、7万0626ユーロ(約963万円)と発表されている。

◆セグメント独自のキャブフォワードデザイン

EQEは、『EQS』の下に位置するEVとなる。EQSが新型『Sクラス』に相当するEVであるのに対して、EQEは『Eクラスセダン』に相当するEVとなる。EQSと比較して、ホイールベースがわずかに短く、オーバーハングが短く、ボディサイドはより抑揚が強調されている。これは、Eクラスセダンと同じく、ビジネスサルーンらしさを受け継いだものという。EQEのボディサイズは、全長4946mm、全幅1961mm、全高1512mm、ホイールベース3120mmとした。

フロントは、低くスポーティなデザイン。スリムなキャビンの上に、しっかりと張られた弓のようなシルエットは、クーペの特徴でもある。前方に移動したAピラーと、後方のCピラーがゆったりとしたキャビンスペースを構築する。このセグメントでユニークなのが、キャブフォワードデザインだ。フロントのオーバーハングは短く、リアはスポイラーがダイナミックなアクセントを演出する。19~21インチのホイールと筋肉質のショルダー部分が、EQEにアスレチックなキャラクターを与えているという。

EQEにも、メルセデスベンツのデザイン哲学、「センシュアルピュリティ(官能的純粋)」が導入されており、明確で流れるようなデザインに反映された。緊張感のある曲がりくねった表面は、動力性能を強調しているという。

メルセデスベンツ EQEメルセデスベンツ EQE

◆「EQE350+」には最大出力292hpのモーターを搭載

リアアクスルに電動パワートレインの「eATS」を搭載する。 4WDの「4MATIC」の場合、フロントアクスルにもeATSを搭載する。フロントアクスルとリアアクスルの電気モーターは、永久励起同期モーター(PSM)だ。 4MATICでは、トルクシフト機能により、前後の電気モーター間で駆動トルクを連続的に可変分配できるため、最も効率的にeATSを利用できるという。

EQEは、ブレーキエネルギーを電気エネルギーに変換して、バッテリーに蓄電する。ドライバーは、ステアリングホイールのパドルシフトにより、回生ブレーキの強さを3段階に調整できる。「ECO Assist」は、最も効率的な運転スタイルを追求する。ドライバーはブレーキペダルを踏む必要はなく、ワンペダルの運転を可能にした。

欧州市場で最初に導入されるのが、「EQE350+」グレードだ。モーターは、最大出力292hp、最大トルク54kgmを発生する。バッテリーの蓄電容量は、およそ90kWh。1回の充電での航続は、最大654km(WLTPサイクル)に到達する。バッテリーの充電は、車載の出力11kWチャージャーで約8時間15分。オプションの車載の出力22kWチャージャーの場合、約4時間15分で完了する。出力170kWのDC急速チャージャーを利用すれば、15分で約250kmの航続に必要なバッテリー容量を充電できる。

メルセデスベンツ EQEメルセデスベンツ EQE

◆フローティングコントロールクラスターを採用

インテリアは、センターコンソールの前側部分がインストルメントパネルにつながっている。これは、電動パワートレインにより、トランスミッショントンネルが不要になり、新しいパワートレインを視覚的に表現したものだ。複雑なステッチを備えたレザーの表面は、流れるようなデザインとした。ドアオープナーとシートコントロールが一体化されたフローティングコントロールクラスターを採用する。ドアセンターパネルは、垂直面から水平面への官能的でダイナミックな動きとなり、アームレストと連続的につながる。空調ベントは、最近のメルセデスベンツ車に共通するタービンデザインとした。

シートは、コンフォートシートを標準装備する。サイドボルスターのデザインにより、ホールド性を追求した。ファンパームに似たステッチパターンを採用する。室内空間は、現行Eクラスセダンに対して、縦方向に80mm広く、前席ショルダールームは27mm広い。

インテリアの6つのコーディネートされた色の組み合わせは、ゆったりとした空間を強調する。EQEは、暖色と寒色の配色が特長。バラオブラウンネバグレーやビスカヤブルーブラックなどの色が、柔らかくエモーショナルなデザインを演出する。電気コイルがモチーフのカラーとして、ロゼゴールドも設定されている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  2. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  3. ジープ『チェロキー』新型、新写真からリアデザインが判明
  4. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  5. 外装も内装も「どピンク」な超高級SUV、ベントレー特注部門のスゴ技とは
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る