JRとの信頼関係重視も2000人の基準に警戒感…平井鳥取県知事 JR西日本の不採算線区問題

鳥取県内の那岐駅に停車中の因美線普通列車。同駅を含む東津山~智頭間は輸送密度/日が100人台となっている。
鳥取県内の那岐駅に停車中の因美線普通列車。同駅を含む東津山~智頭間は輸送密度/日が100人台となっている。全 3 枚

鳥取県の平井伸治知事は4月14日に開かれた定例会見で、JR西日本の不採算線区問題について記者の質問に答えた。

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JR西日本が4月11日に発表した輸送密度2000人/日未満線区の収支状況によると、鳥取県内では山陰本線の鳥取以東、因美線の智頭以南が挙げられているが、これについて平井知事は、厳しい経営状況に対し一定の理解を示した。

その上で、JR西日本に対し存続へ向けて地域の熱意を見せることで信頼関係を構築する必要があるとして、今後、双方で情報共有しつつ「企業の皆さんやあるいは住民の皆さんと一緒になりまして、どうやってこのJRのローカル線を残していくのかという運動を始める必要があるだろうと、連休明けにも協議会を開催しまして、乗って残そうという県民運動を展開を始める必要があるのかなと」と述べ、JRの利用促進に協力してもらえる企業を募集し、県としても助成金による支援を行なう一方、市町村にも利用促進を呼びかけたい考えを示した。

ただ、平井知事も島根県の丸山知事と同じく、自治体個別の問題とせず、関係する自治体と連携して協議していく必要があると述べており、すでに岡山県の伊原木(いばらぎ)隆太知事や広島県の湯崎英彦知事らとも連絡を取り合っていることを明らかにしており、国会議員にも働きかける姿勢を見せている。

一方、「廃止ありき」とも見られる今回の収支公表の意図をどう見るかについても問われたが、平井知事は「問題意識を共有したいという意図ではないか」と述べたものの、一方で国鉄再建法に基づいて輸送密度2000人/日未満の路線が第1・2次特定地方交通線に指定され、バス転換の対象になったことに触れ、「なぜ今回2000人という数字を使われたのかなと、それで、かつてと同じようにこれは廃線に値するんですよというようなことが何となく感じられる面もありまして、それで、警戒せざるを得ないというのは率直なところであります」と、不信感を抱いているような発言もしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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