技研製作所は4月20日、小スペースに40台収容できる世界初の超小型EV専用機械式駐車場「EVエコパーク」を開発したと発表した。
超小型EVはカーボンニュートラルの実現に大きく寄与することが期待されているが、現段階ではまだ足踏み状態となっている。その要因はコンパクトさを活かせる専用駐車場や充電施設の不足。超小型EV普及促進のための環境整備が進んでいないのが現状だ。
EVエコパークは直径9.5m×高さ15m、5層の円筒型で、1層につき8台、合計40台の超小型EV(全長2500×全幅1300×全高1600mm、車重750kg以下)を収容できる。超小型EV40台を一般的な平置き駐車場に停めると約400平米の土地が必要となるが、EVエコパークはその5分の1、約80平米で設置できる。地上にゆとりあるスペースを創出する「地下式」、建屋の外部サインや窓の数などをアレンジした「地上式」のいずれにも対応。広大な用地確保が難しい場所でも大容量の駐車場が設置でき、土地を有効活用できる。
平均入庫時間は18.9 秒(最短15.5秒)、出庫時間は19.7秒(最短17.2秒)と高速。待ち時間が少なく、滞留も発生しづらいため、駐車場前に広い待合スペースをつくる必要がない。車両を乗せるパレットには200V(100Vへの変更も可能)の充電コネクタを装備。駐車中に自動充電を行うことができる。
また、一般車用エコパークから部品の種類を約4分の1に減らし、機械構造の簡素化を実現。コストや時間、故障リスクを抑え、製造や廃棄で生じるCO2等の環境負荷も低減する。
技研製作所では、EVエコパークというハード製品の提供にとどまらず、カーシェアリングや配送、送迎など、設置後の運用、サービスを含めたパッケージでの提供を目指していく。