スポーツカーにLSDは必須!? 曲がりにくくなるだけじゃない効果[カスタムHOW TO]

スポーツカーにLSDは必須!? 曲がりにくくなるだけじゃない効果[カスタムHOW TO]
スポーツカーにLSDは必須!? 曲がりにくくなるだけじゃない効果[カスタムHOW TO]全 5 枚

デフとか、機械式デフとも言われるLSD。なんかバキバキ音がして曲がりにくくなるという。そんなものがなぜスポーツ走行するには取り付ける必要があるのか、効果効能を解説!

【画像全5枚】

◆曲がりやすくなるデファレンシャルを
キャンセルしてしまうという矛盾がLSD

スポーツカーにLSDは必須!? 曲がりにくくなるだけじゃない効果[カスタムHOW TO]スポーツカーにLSDは必須!? 曲がりにくくなるだけじゃない効果[カスタムHOW TO]

LSDはリミテッド・スリップ・デフの略。そもそもこの「デフ」という言葉がやっかい。「デフ」とはデファレンシャル機構のことで、スムーズに曲がるためにわざわざ発明された装置。クルマは曲がるときに内側のタイヤよりも、外側のタイヤの方がたくさん回転しないと辻褄が合わない。内輪差というやつである。左右のタイヤが1本のシャフトでつながっていると、物理的にどちらかのタイヤがスリップしないと曲がれないのだ。そこで、その内輪差を吸収するための機構がデファレンシャルなのである。

◆デファレンシャルには重大な弱点がある
それが加速時の空転問題

スポーツカーにLSDは必須!? 曲がりにくくなるだけじゃない効果[カスタムHOW TO]スポーツカーにLSDは必須!? 曲がりにくくなるだけじゃない効果[カスタムHOW TO]

そんな素晴らしいデファレンシャルがなければ、交差点での左折や、駐車場内での方向転換などができなくなってしまう。しかし、その機構には弱点がある。それはアクセルを踏んだときに片方どちらかのタイヤがスリップすると、駆動力が全部そっちに行ってしまうのだ。これは機構的に仕方がない。サーキットやワインディングでは多くの場合、荷重が抜けている内側のタイヤがスリップしてしまい、そちらが強烈に空転し、外側タイヤは転がっているだけの状態で加速しなくなってしまう。オフロードでも同じで、泥でスリップしたら身動きが取れなくなってしまう。

◆左右の駆動輪をクラッチで繋ぐことで
駆動力を分配するのがLSD

スポーツカーにLSDは必須!? 曲がりにくくなるだけじゃない効果[カスタムHOW TO]スポーツカーにLSDは必須!? 曲がりにくくなるだけじゃない効果[カスタムHOW TO]

そこで必要な時は左右の駆動輪を直結にしたい。けれども、必要なときだけでいい。それを叶えるためのパーツがLSDなのだ。右タイヤから伸びるシャフトにクラッチが付き、左タイヤからも同様にシャフトにクラッチが付く。その左右から伸びたシャフトの先のクラッチをどのくらいの圧力でもともと押し付けるかが「イニシャルトルク」。加速時だけ摩擦させて駆動力を左右に同じように伝えるのが「1WAY」と呼ばれる作動方式。加速も減速時も摩擦するのが「2WAY」。左右の駆動に差が生まれたときにどれくらいの力でクラッチを押し付けるかは「カム角」で調整できるのだ。これらのセッティング項目を変えることで、必要な分だけ左右のタイヤの回転差を埋めることで、走りやすく、速くすることができる。

◆基本的には加速時に作用すると役に立つが
減速時も作動すると安定感が増す

スポーツカーにLSDは必須!? 曲がりにくくなるだけじゃない効果[カスタムHOW TO]スポーツカーにLSDは必須!? 曲がりにくくなるだけじゃない効果[カスタムHOW TO]

その出番は加速するときがメイン。イン側タイヤが滑り始めるとカム角が開くことで、左右のシャフトからつながるクラッチを強く押し付ける。それによって摩擦が発生して、アウト側タイヤにも駆動力が伝わる仕組み。アクセルOFF時にも作動するようにカム角が設計されているのが2WAY。減速時に左右タイヤに回転差が生まれると作動するので、リア駆動車での進入時の安定感アップに効果的。ちなみに1.5WAYもあるが、これはこのカム角が加速時に比べて、減速時は効きが弱いものをこう呼ぶだけで、特殊な機構があるわけではない。通常メーカー側の設定でも加速時45°/減速時20°などが標準設定にされていることが多く、1.5WAYとも呼ばれるが2WAYなのである。

◆バキバキ言うのはプレートが滑るから
今どきは音が鳴らないのが普通

LSDといえばバキバキ鳴って恥ずかしいとか、乗りにくいという意見。これはチャタリング音と呼ばれるもので、この作動するときにクラッチプレートがズレるときに起きる現象。しかし、それも今は昔。現代では優れたクラッチプレートの精度、処理、表面処理が開発され、オイルも音がしないでなめらかにLSDが作用するものが、LSDメーカーやオイルメーカーから多数リリースされている。それらを組み合わせて使えば、音がせず、いつLSDが作動しているかもわからないうちに自然と効いてくれるのが普通なのだ。スポーツ走行をするならLSDがないと、クルマ本来の正しいドライビングはできない。イン側タイヤが空転していてはきちんとクリッピングポイントから立ち上がることもできないし、空転したタイヤはダメージでボロボロになってしまう。ちょっと高めの出費だが、走りを楽しむならぜひオススメしたいのがLSDの装着なのだ。


《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スズキ『アルトワークス』復活なるか!? 軽スポーツ復権への期待
  2. 日産『マイクラ』新型、英国累計販売10万台目のEVに
  3. ホンダの最高級ミニバンが復活か?『エリシオン』後継でアルファードに挑む
  4. ルノー『メガーヌ』EVに改良新型、航続500km・急速充電24分に進化…フロントも刷新
  5. アストンマーティン、軍用SUV『Dreadnought』発表…「攻撃的な全輪駆動」を表現
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 警察庁、高齢運転者技能検査を見直しへ 合格者の事故率を追跡調査してみたら…
  2. AIDVの開発にもAIを活用、日産がプラットフォームをデモ…AWS Summit Japan 2026
  3. 超高硬度クロムめっき、EV・半導体部品の長寿命化に貢献…大型量産設備をサン工業が稼働 
  4. 【セミナー見逃し配信】※プレミアム・法人会員限定 全固体(半固体)電池の現在地と将来展望~問われる全固体電池ならではの優位性とその価値の再定義~
  5. 中国サプライヤーが日本市場へ本格攻勢、“長期戦略”と“チャイナスピード”両立する「DESAY SV」次の一手とは
ランキングをもっと見る