スズキ社長「生産さえできれば需要に応えられる」…日本20万台、インド30万台のバックオーダー

納期がかかる:スズキ・ハスラー
納期がかかる:スズキ・ハスラー全 7 枚

スズキが5月11日に発表した2021年度連結決算は、売上高が前年度比12.3%増の3兆5683億円、営業利益が同1.5%減の1914億円、当期純利益が同9.5%増の1603億円。3期ぶりの増収となったが、営業利益は4期連続して減益だった。

グローバル販売台数は四輪車が270万7000台(5.3%増)。日本市場が軽自動車47万台、登録車9万1000台の計56万1000台(13.3%減)、アジアが166万6000台(6.8%増)で、うちインドが136万5000台(3.2%)、欧州が22万5000台(9.6%増)だった。このように前年度より販売台数が増えたが、コロナ前の2019年度(285万2000台)と比べると、5.1%減っている。

また、長年の“問題児”だった二輪車事業はグローバル販売台数が6.5%増の163万4000台。売上高も22.7%増えて2535億円、営業利益は前年度より83億円増えて109億円となり、念願の三桁利益を達成した。

2022年度の通期業績見通しは、売上高が前年度比9.3%増の3兆9000億円と過去最高を更新する予定だ。営業利益は1.8%増の1950億円で5期ぶりの増益、当期純利益は15.8%減の1350億円と3期ぶりの減益を予想する。そして、四輪車の販売は7%増の290万台を見込む。

「生産さえできれば需要に応えられる」と鈴木俊宏社長は強調し、「現在計画している台数をしっかり生産する」と述べた。なにしろ、スズキは現在、日本市場で約20万台、インド市場で約30万台のバックオーダーを抱えている。「バックオーダーを解消するのは難しいが、生産をできるだけしてバックオーダーを減らしていきたい」と付け加えた。

しかし、中国のロックダウンによって部品調達への影響が出て、国内1工場の操業を一時的に停止することになった。LEDライトや自動ブレーキのセンサーなどの調達に影響が出ているそうで、調達地域や取引先の変更などを検討している。

原材料価格の高騰についても、銅、鋼材、アルミと次々に最高値をつけている状況で、インドでは、プラスチックやゴムも値上がりして、月を追うごとにひどくなっているそうだ。そのうえ、半導体不足や新型コロナ影響も加わり、「先行きが見えない状況が続いている」と鈴木社長は嘆いている。

いずれにしてもスズキは半導体をはじめとした部品調達力が大きなカギを握っていると言えそうだ。


《山田清志》

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