BMW M専用車『XM』、650馬力の高性能電動SUVに…開発は最終段階

EVモードでは最大80kmのゼロエミッション走行が可能

「アダプティブMプロフェッショナル」サスペンション

米国工場で12月から生産を開始する予定

BMW XM のプロトタイプ
BMW XM のプロトタイプ全 10 枚

BMWは5月16日、BMW Mブランド初の高性能電動SUV『XM』のプロトタイプの写真を公開した。2021年12月に初公開された『コンセプトXM』 の市販版となり、現在、開発の最終段階にあるという。

◆EVモードでは最大80kmのゼロエミッション走行が可能

XMは、プラグインハイブリッド(PHV)で、Mモデルとしてのみ、販売される予定だ。新開発のPHVシステム「Mハイブリッド」を搭載する。V8エンジンに高性能な電気モーターを組み合わせて、最大出力650hp、最大トルク81.6kgmを引き出す。コンセプトカーの最大出力750hp、最大トルク102kgmに対して、パワーとトルクは抑えられた。

XMには、PHV専用の4WDシステムの「M xDrive」を搭載する。開発段階では、XMのM xDriveをワインディングロードでテスト。リアアクスルトランスミッションの電子制御デフロックなど、M xDriveシステムのドライビングダイナミクスを検証するために、理想的な条件になったという。

EVモードでは、最大およそ80km(WLTPサイクル)のゼロエミッション走行を可能にする。このエミッションフリーのクルージングモードでは、アクセルペダルの踏み込み量に対して、電気モーターが瞬時に反応する。EVモードでは、その瞬間的な電力供給により、たとえば発進時などにアクティブな加速を保証する、と自負する。

BMW XM のプロトタイプBMW XM のプロトタイプ

◆「アダプティブMプロフェッショナル」サスペンション

XMには、「アダプティブMプロフェッショナル」サスペンションを標準装備する。これには、XM専用のスプリングと電子制御式ショックアブソーバーが含まれている。また、BMWMカーで初めて、48ボルトのテクノロジーを備えた電動機械式のロールスタビライザーシステムも採用する。アクティブロールコンフォート機能を追加することで、片側の路面の凹凸に遭遇した場合でも、転がり抵抗を軽減するという。インテグラル・アクティブ・ステアリングを標準装備した。これにより、車線変更時の敏捷性とコーナリングダイナミクス、走行安定性を追求している。

専用のMブレーキシステムと最新世代のインテグラルブレーキシステムを採用した。オプションで最大23インチのMアルミホイールが選択できる。XMは、ダイナミックな走行性能と、日常走行や長距離移動時の快適性を両立させることを目指す。パフォーマンスと乗り心地のバランスは、日常の走行条件下での集中テストプログラムで確立する。プロトタイプ車をドライブするエンジニアは、サスペンションが路面の轍や凹凸でどのように反応するかを正確に記録する。

BMW XM のプロトタイプBMW XM のプロトタイプ

XMでは、50対50の前後重量配分を実現する。開発テストでは、すべての駆動系やサスペンションシステムを微調整する。これにより、内燃エンジンと電気モーター、XMのすべてのサスペンションコンポーネントと制御システムが、Mならではのパフォーマンスを可能にするという。

◆米国工場で12月から生産を開始する予定

XMは2022年12月、BMWグループの米国のスパルタンバーグ工場で生産を開始する予定だ。創立50周年を迎えるBMWMは、伝説的なBMW『M1』に続くM専用モデルとして、XMを投入する、としている。


《森脇稔》

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