ルノー『セニック』次期型、EVで提案…電気と水素のハイブリッド

ルノー日産三菱アライアンスの「CMF-EV」車台

バッテリーを含めて車両の95%以上がリサイクル可能

ドライバーの心拍数などのデータを分析し健康アドバイスを行う

ルノー・セニック・ビジョン
ルノー・セニック・ビジョン全 10 枚

ルノーは5月19日、コンセプトカー『セニック・ビジョン』(Renault Scenic Vision)を欧州で発表した。2024年に発表予定の次世代EVのプレビューモデルで、ルノーのMPV『セニック』の次期型を示唆している。

◆ルノー日産三菱アライアンスの「CMF-EV」車台

セニック・ビジョンはCセグメントに属しており、ルノー日産三菱アライアンスの「CMF-EV」プラットフォームを使用する。モーターは最大出力218hpを発生し、バッテリーは蓄電容量40kWhとした。

セニック・ビジョンには、出力15kWの燃料電池も搭載する。長時間のドライブでは、燃料電池が発電を行うことでバッテリーを充電し、航続を延ばすことができる。2030年以降、水素ステーションのネットワークが拡大すると、最大800kmの航続が可能になり、水素タンクは5分以内に補充できるようになるという。

セニック・ビジョンのボディサイズは、全長4490mm、全幅1900mm、全高1590mm、ホイールベース2835mmだ。 車両重量は1700kg。タイヤは、235/45R21サイズを装着している。

ルノー・セニック・ビジョンルノー・セニック・ビジョン

◆バッテリーを含めて車両の95%以上がリサイクル可能

車両に使用されている素材の70%はリサイクルされたものだ。また、バッテリーを含めて車両の95%以上が、リサイクル可能。車両の床は、リサイクルされたプラスチック素材を凝集させたもの。車両全体で使われているプラスチックの30%が、バイオソースだ。車両の付属品は、航空機などからリサイクルされたカーボン製としている。

タイヤは「GNSPR」の会員メーカーから供給され、環境と人権に対する責任に取り組む。レザーの使用は取りやめ、100%リサイクルされた低炭素ポリエステルに置き換えられている。 燃料電池タンクは、再生紙くず由来のカーボンファイバー製とした。

運転席のドアに配置されたエアフィルターは、外気をろ過することで車内の空気の質を向上させる。ボディカラーの成分中の黒色顔料は、空気の質の向上に配慮して、合成顔料を含まない塗料とした。

ルノー・セニック・ビジョンルノー・セニック・ビジョン

◆ドライバーの心拍数などのデータを分析し健康アドバイスを行う

「H2-Tech」と呼ばれるテクノロジーは、16kWの燃料電池を搭載した電気と水素のハイブリッド車を意味する。 H2-Techテクノロジーは、「レンジエクステンダー」テクノロジーに基づいており、同じ航続なら、2倍の軽量バッテリーを搭載することができるという。そのため、車両の電動化を超えた脱炭素化に貢献する、と自負する。この車両のカーボンフットプリントは、『メガーヌE-Techエレクトリック』などのEVよりも、75%小さいという。

車両のフロントに搭載されるカメラシステムは、ドライバーの視界を24%拡大する。リスクを評価するインターフェースは、ストレスの多い状況を予測するのに役立つ。ドライバーの注意不足を補い、運転習慣を継続的に改善するために、アドバイスを提供する。このインターフェースは、カメラとキャビン内に配置されたセンサーが、心拍数や疲労感などのデータを分析し、ドライバーに健康アドバイスを行う。

顔認識システムにより、ドライバーのプロファイルに応じて、ドアを開けたり、車両の設定を調整したりすることができる。各シートにはマイクとスピーカーが装備されており、車内での最適な通信環境を維持しながら、乗員それぞれにパーソナライズされたオーディオ視聴空間を創出する。聴覚障害のあるユーザーが乗車している場合、必要に応じて音声を増幅することにより、乗員間のコミュニケーションを支援する。ドアと平らな床の間にピラーがないため、身体の不自由な人でも簡単にアクセスできる、としている。


《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ジクサー250 試乗】250ccでダントツにリーズナブル! この手軽さと奥深さはスズキ随一の仕上がりだ…伊丹孝裕
  2. 「最初からこれが欲しかった」レクサスの特別な『LBX MORIZO RR』限定発売に、SNSで反響
  3. 車内が即ネット空間に! 新型USB型Wi-Fiルーターがドライブを変える[特選カーアクセサリー名鑑]
  4. ポルシェ、新型『911カップ』発表…520馬力にパワーアップ
  5. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る