ルノー カングーバン 新型にEV、航続は300km…欧州発売へ

モーターは最大出力122hp

航続170km分のバッテリー容量を30分で充電可能

内燃エンジン搭載車と同じ積載性能

センターピラーレスで1450mmの大開口部を実現

ルノー・カングー・バン 新型の「E-TECHエレクトリック」
ルノー・カングー・バン 新型の「E-TECHエレクトリック」全 10 枚

ルノーグループは5月31日、新型ルノー『カングーバン』(Renault Kangoo Van)のEV「E-TECHエレクトリック」を欧州市場で発売すると発表した。

◆モーターは最大出力122hp

カングーバンの新型に用意される初のEVが、E-TECHエレクトリックだ。EVパワートレインのモーターは、最大出力122hp、最大トルク25kgmを発生する。あらゆる状況において、スムーズでストレスのない走行を実現しているという。

バッテリーは新開発のリチウムイオンで、蓄電容量は45kWhとした。1回の充電での航続は、WLTPサイクルで最大300kmに到達する。バッテリーは車両フロア下にレイアウトされており、荷室の容量に影響を与えていないという。

ドライブモードは6種類。モーターの出力と最高速を制限するエコモードは、航続を最適化するのに役立ち、軽い荷物運ぶ時に適している。選択したドライブモード、電力マネジメント、先進運転支援システム(ADAS)に関する情報は、カスタマイズ可能なオプションの10インチカラーデジタルインストルメントパネルに表示することができる。

3種類の回生ブレーキモードが切り替えられる。「セーリング」モードは、高速道路での走行に適したモードだ。「ドライブ」モードは、アクセルを踏んだ時、内燃エンジン搭載車のような感覚が得られるという。「ブレーキ」モードは、ワインディングロードなどで、回生ブレーキを最大限に作動させるモードになる。

ルノー・カングー・バン 新型の「E-TECHエレクトリック」ルノー・カングー・バン 新型の「E-TECHエレクトリック」

◆航続170km分のバッテリー容量を30分で充電可能

バッテリーの充電に関しては、出力11kWの充電器を標準装備しており、自宅での充電に対応する。オプションの充電器には、外出先で急速充電するための出力22kWのチャージャーと、170kmの航続分のバッテリー容量を30分で充電できる出力80kWの急速充電DCチャージャーが利用できる。この2つのオプションの充電器を選択すると、バッテリーには水冷機能が追加される。

出力11kWのウォールボックスに接続した場合、バッテリー容量の8割を充電するには2時間40分かかる。出力7.4kWのウォールボックスに接続した場合、バッテリー容量の8割を充電するには、およそ6時間だ。

季節を問わず同レベルの航続を可能にするために、空調システムにはヒートポンプを採用した。出力22kWの充電器と組み合わせると、エネルギーを消費する電気抵抗器を使わずに、車内を暖めることができる。ヒートポンプは、気温がマイナス15度からプラス15度の場合に高い性能を発揮する。これは、多くのヨーロッパ諸国の冬期に適するという。

ルノー・カングー・バン 新型の「E-TECHエレクトリック」ルノー・カングー・バン 新型の「E-TECHエレクトリック」

◆内燃エンジン搭載車と同じ積載性能

新型は、アスリートでダイナミックなデザインを採用する。主に法人や店舗などの個人事業者を対象としており、最新のテクノロジーを備えたプロ向けのオーダーメイド車両を目指した。ルノーによると、彫刻的でダイナミックなデザインが特長で、ビジネスやモビリティのニーズの変化に対応しているという。

筋肉質なエクステリアデザインが目を引く。フロントには、グリルとバンパーの間にクロームラインを配置した。ボディサイドは、彫刻的なデザイン。洗練された仕上げとクロームインサートが高級感を演出する。

新型には、ホイールベースの違いで、標準ボディとロングボディの2種類を用意した。有効室内スペースは、標準ボディが最大3.9立法m、ロングボディが最大4.9立法m。最大積載量は、標準ボディが600kg、ロングボディが800kg。これらの積載性能に関しては、内燃エンジン搭載車と同じとした。

ルノー・カングー・バン 新型の「E-TECHエレクトリック」ルノー・カングー・バン 新型の「E-TECHエレクトリック」

◆センターピラーレスで1450mmの大開口部を実現

新型を代表する革新的な装備が、「イージーサイドアクセス」と「イージーインサイドラック」だ。これは、小型商用車に求められる積載性と室内へのアクセス性を引き上げる新装備になるという。

イージーサイドアクセスは、サイドからの室内へのアクセス性を高める。都市の中心部でとくに便利なイージーサイドアクセスは、駐車場の大きさに関係なく、室内の荷物に簡単にアクセスできる。センターピラーを廃止することで、新型カングーバンは、ボディサイドに1450mmの開口部を持つ。これは、従来型の2倍のサイズで、クラスで最も広いサイドアクセス性を提供すると、自負する。

また、イージーインサイドラックは、格納式のインテリアギャラリーだ。長くて大きいもの上方に吊るして運び、荷室フロアを有効に使う革新的装備になるという。インテリアは、水平基調のダッシュボードが特長だ。収納スペースは豊富に設けられた。新設計されたシートは、快適性と耐久性が追求されている。


《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 軽自動車よりも小さい! 15歳から運転できるオペル、約132万円から販売
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る