今でもカッコいい“リトラ”に注目!~ネオクラオーナーズミーティング~

日産 180SX
日産 180SX全 6 枚

ネオクラにはさまざまな魅力がある。そのひとつが現代のクルマには無い個性を備えている点だろう。ネオクラの主戦場となる’80年代~'90年代はクルマの新規開発も盛んな時代で、次々と新しい機構やデザインが新型車に取り入れられ、ユーザーにアピールすることを競っていた。

そんな時代の注目すべきキーワードのひとつがリトラクタブル・ヘッドライト(リトラ)だろう。ネーミングそのままに「格納できる」ヘッドライト(格納式前照灯)で、通常はヘッドライトのレンズ面が隠れていて、点灯する際に可動して露出する仕組みを持っているヘッドライトのことだ。

ネオクラを愛するユーザーの間でも根強い人気があるこのリトラ。ヘッドライトの非点灯時にはフロントセクションがスマートなデザインにできることが大きな魅力。空力的にも有利なフロントノーズを低く構えたフォルムにできることからスポーツモデルに数多く採用されていた。現代のクルマが異形ヘッドライトを使って複雑な形状のフェイスを作るケースが多いのとは異なりシンプルでスマートなフロントセクションを形成していたのも魅力。

しかし規制や安全性、コストなどさまざまな問題から現在ではほとんど見られなくなったリトラ搭載車。それだけにネオクラの存在感はなおさらクローズアップされることになっているのだ。'80年代~'90年代は各社が競ってスポーツモデルをラインアップしていたこともあって、多くのブランドにリトラモデルがあるのもネオクラ好きのユーザーにはたまらないだろう。

5月29日に水ヶ塚公園駐車場(静岡県裾野市)で開催されたネオクラオーナーズミーティングには、多くのリトラ車がエントリーしていた。いずれも当時を代表するスポーツモデル。トヨタは『スープラ』、日産は『フェアレディZ』、さらにホンダでは『NSX』がリトラを採用していた。

トヨタ スープラトヨタ スープラ

スープラは先代モデルとなるセリカXXの時代からリトラを採用する象徴的なモデル。ウェッジシェイプのノーズデザインが同社の代名詞ともなっていた。それを継承したスープラもよりソフィスティケイトされたリトラを積極採用した車種となった。

日産 フェアレディZ日産 フェアレディZ

一方で北米で長らく君臨していたフェアレディZ(その後ライバルとなるセリカXXの登場のきっかけとなる人気を誇った)。3代目となるZ31系のフェイスにはヘッドライトが上下に可動してせり上がってくる機構が採用された。デザイン的にもメカニズム的にもかなり特異なモデルだったこともあり、他のクルマでは決して出せない味を持つ車種だ。4代目のZ32型では固定式のヘッドライトに戻されるが、Z31型のデザインテイストがしっかり継承されていた。

ホンダ NSXホンダ NSX

NSXはご存じの通り国産スーパーカーを具現化したモデル。1990年のデビューから1999年のlll型まではリトラを採用。空力を含めたメカニズムでスポーツ性能を追求したモデルらしい作り込みだった。今も当時のNSXを厚く評価するファンが多いのはそのフォルムにもある。

マツダ RX-7マツダ RX-7

またロータリースポーツの雄であるマツダ『RX-7』も歴代モデルにリトラを採用してきた代表的モデルだ。初代、FC、FDとそれぞれデザインを大きく進化させつつ、常にリトラのデザインを中心に据えたフェイスまわりの設計を施してきた。各年代ごとにファンがいるのも頷ける変遷をたどった名車でもあるだろう。

トヨタ MR2トヨタ MR2

ヘビー級のスポーティカーに加えて、リトラ採用モデルは広範囲に渡っている。例えばトヨタの『MR2』、さらに前の年式のモデルではAE86『トレノ』などもリトラを採用したライトウェイと系のスポーツモデルだった。このサイズの車両にもリトラを採用していたのも、当時の開発指向を思わせる点でも面白いところだ。海外仕様では日産の『180SX』もリトラ採用車だ。北米の日本製スポーツモデルシーンを席巻したモデルとなった。

メカニズム的にもデザイン的にも個性的なリトラ、今では味わうことのできないこのテイストを存分に楽しめるのもネオクラ車両をセレクトする理由のひとつだ。個性的なフェイスを備えた愛車を選ぶならリトラ装備の車両が狙い目だ。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《土田康弘》

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