「脱炭素」光と影---出光興産、傘下の山口製油所を停止へ[新聞ウォッチ]

出光がタジマと共同開発中の新型車両
出光がタジマと共同開発中の新型車両全 1 枚

日産自動車と三菱自動車が、あす(6月16日)発売する軽自動車の新型電気自動車(EV)の『サクラ』と『eKクロスEV』の先行受注が、想定をはるかに上回るほどの好調な滑り出しとのニュースが流れたからでもないだろうが、石油元売り大手の出光興産が、出資先である西部石油の山口製油所の石油精製設備を、2024年3月をめどに停止するという。

6月14日付けの日経夕刊がトップ記事で報じた後、出光興産が発表したもので、きょうの各紙も「出光、山口製油所を停止へ、脱炭素の流れ効率化は急務」(朝日)などと取り上げている。

それによると、山口製油所の原油処理能力は日量12万バレル。出光グループ全体の生産能力の13%を占めるという。山口製油所の精製停止で、出光グループの西日本の製油所は消えることになるが、435人ほどの社員については、出光グループ内の異動などで雇用を維持する方針だそうだ。

今後、出光が西部石油の株を買い取り、完全子会社化してから生産を停止する計画だが、 山口製油所には物流基地としての機能を残し、石油元売り最大手のエネオスから融通を受けた製品を販売するほか、脱炭素化に向けた次世代エネルギーとして期待される水素やアンモニアの受け入れ基地への転換なども検討するという。

世界的な脱炭素の流れを受けてクルマの電動化が進み、ガソリン需要の縮小は避けられず、このため、石油元売り各社は、生産能力の削減とともに、既存事業の見直しも加速しており、出光としても山口製油所に終わらず、生き残るためのさらなる統廃合も検討しているようだ。

2022年6月15日付

●円安どこまで、続く米利上げ「夏、秋に140円台」も(読売・3面)

●車工場脱炭素前倒し、トヨタ、マツダなど35年(読売・8面)

●出光、山口製油所を停止、24年4月、ガソリン需要縮小で(読売・8面)

●「県民割」旅行先を全国拡大、参院選へ景気対策「GoTo」の代わり(朝日・1面)

●円安、経営者の7割「悪影響」経済同友会調査(産経・2面)

●「エクスプローラー」27年の歴史に幕、MS、16日サポート終了(産経・10面)

●電動キックボードに新ルール、最高速度時速20キロは免許不要、ヘルメット着用努力義務(産経・23面)

●賃上げ率、物価上昇以下、先進国で日本だけ(東京・3面)

●モータースポーツ富士からアジアへ、トヨタ、24時間レースの魅力発信(東京・6面)

●米株安、消費・IT急落響く、リゾート・車に売り波及(日経・11面)

●コスモ系が超小型EV、来年度にも、リースなどで(日経・16面)

トヨタ、工場停止「ロビンフッド」が関与(日経・17面)

●パーク24、営業黒字、11~4月駐車場稼働が回復(日経・18面)

《福田俊之》

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