フェラーリ最強の840馬力、『デイトナSP3』…グッドウッド2022に出展へ

1960年代に活躍したスポーツプロトタイプに着想

サイドミラーはフェンダーの頂点に

0-100km/h加速2.85秒で最高速は340m/h以上

フェラーリ・デイトナ SP3
フェラーリ・デイトナ SP3全 10 枚

フェラーリは6月20日、英国で6月23日に開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」に、『デイトナSP3』(Ferrari Daytona SP3)を出展すると発表した。2018年の『モンツァSP1』、『モンツァSP2』に続く限定車シリーズの「Icona」の最新モデルだ。

写真:フェラーリ・デイトナ SP3

◆1960年代に活躍したスポーツプロトタイプに着想

デイトナSP3は、1960年代に活躍したスポーツプロトタイプに着想が求められた。1967年2月6日、フェラーリは1967年の国際スポーツカー選手権の初戦のデイトナ24時間レースにおいて、トップ3を独占した。1位に「330 P3/4」、2位に「330 P4」、3位に「412 P」がほぼ横一列に並び、チェッカーフラッグを受けたシーンは伝説となっている。

肉感的なフォルムとシャープなラインが交錯するデイトナSP3の車体は、エアロダイナミクスの重要性が急速に高まっていた頃の330 P4 や「350 Can-Am」、「512 S」などのレーシングカーのデザインに通じるものがあるという。着脱可能なハードトップを備える「タルガ」ボディという選択も、スポーツプロトタイプの世界に倣っている。

頂点が2つあるフロントフェンダーは、512 Sや「712 Can-Am」、「312 P」など、過去のフェラーリのスポーツプロトタイプを参考にしている。バタフライドアにはエアボックスが内蔵されており、サイドに搭載するラジエーターへと空気を導く。結果的に生まれた彫刻的フォルムによって、ドアに明確なショルダーができ、そこに配置されたエアインテークが、ウィンドスクリーンの垂直なカットと視覚的につながっている。

フェラーリ・デイトナ SP3フェラーリ・デイトナ SP3

◆サイドミラーはフェンダーの頂点に

ドアの前端はフロントホイールアーチの後部を形成しており、ドアの特長的な表面は、フロントタイヤから出る気流の制御にも貢献する。この表面の処理も、デイトナSP3のデザインに部分的なインスピレーションを与えた512 Sなどのレーシングカーを想起させるという。

サイドミラーの位置は、ドアの前方からフェンダーの頂点へ移動した。これも、1960年代のスポーツプロトタイプを思わせるものだ。この位置が選ばれたのは、視認性を高め、ドアインテークへの気流に及ぼす影響を減らすのが狙い。ミラーのカバーと支柱は、これに特化したCFD(数値流体力学)シミュレーションを行って、インテークへの流れを阻害しない形に整えられたという。

リアには、複数の水平ブレードが配された。テールライトは、スポイラーの下に1本の水平なバーを形成し、ブレードの1列目に組み込まれた。ディフューザー上部の中央には、ツインテールパイプがレイアウトされている。ボディサイズは、全長4686mm、全幅2050mm、全高1142mm、ホイールベース2651mmとした。

フェラーリ・デイトナSP3フェラーリ・デイトナSP3

◆0-100km/h加速2.85秒で最高速は340m/h以上

デイトナSP3では、排気量6496ccのV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンを、ミッドリアに搭載するレーシングカーの典型的レイアウトを採用した。『812コンペティツィオーネ』のV12エンジンをベースに、搭載位置をフロントからミッドリアに変更。吸排気レイアウトと流体力学上の効率性を最適化した。

40%軽量なチタン製コンロッドを採用し、ピストンにも異なる素材を使用した。また、新ピストンのピンにはダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)コーティングを施し、摩擦係数を下げて、パフォーマンスや燃費を向上させた。クランクシャフトはバランス取りを行ったほか、3%軽量化する。バルブを開閉するのは、F1から派生した「スライディング・フィンガーフォロワー」だ。質量を削減し、より高い性能を引き出すために開発された。吸気システムは再設計。経路全長を短縮するため、マニホールドとプレナムチャンバーがコンパクトになり、高回転域でさらに強大なパワーを発揮する。これにより、フェラーリ史上最強の最大出力840hp/9250rpm、最大トルク71kgm/7250rpmを獲得する。このエンジンの最高回転数は9500rpm に達する。

トランスミッションは7速デュアルクラッチの「F1」。専用チューンにより、シフトチェンジがいっそう素早くなり、操作感も引き上げられた。デイトナSP3は、0~100km/h加速2.85秒、0~200km/h加速7.4 秒、最高速340m/h以上の性能を可能にしている。


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《森脇稔》

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