「シニアの運転は危険」は本当? ドラレコのデータから解析

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大きな事故の報道の印象から「シニアの運転は危険」という認識が世間的にはある。が、事故につながりやすいリスク運転は、他世代と比べてシニア世代に多いとは必ずしも言えないようだ。定説を、プロドライバーのリスク運転情報から検証した。

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モビリティテクノロジーズ(Mobility Technologies、MoT)は、AIドラレコサービス『DRIVE CHART』を展開している。このDRIVE CHARTが保有する運転データから、年齢別リスク運転傾向について解析した。今回は、一般のドライバーより事故に気をつけて運転する傾向がある法人車両、特にタクシー車両が多数を占めるデータを解析対象にした。

トピック1:年齢を重ねると発生率が高くなるリスク運転は「急加速」「一時不停止」。
トピック2:ミドル層のほうが発生率が高いリスク運転は「脇見」「後退時後方不確認」。
トピック3:「急減速」「急ハンドル」「車間距離不足」「速度超過」では年齢を重ねることによるリスク運転の変化は見られない。

結果としてはトピック1の急加速、一時不停止が年齢に応じて増加する傾向が見られたが、その他のリスク運転では、特段シニア世代のリスク運転が多い傾向とはならなかった。

急加速急加速

◆トピック1 : 年齢を重ねると発生率が高くなるリスク運転は「急加速」「一時不停止」

年齢別に走行1000kmあたりのリスク運転発生回数を抽出すると、「急加速」については25歳では約0.1回以下発生するのに対し、45~55歳ごろから2倍の約0.2回になり、60歳以上から0.3回以上発生する。

また「一時不停止」も 35歳以上になると年齢を重ねるごとに上昇し、 20歳で約5回に対し、50歳では2倍の約10回となる。

日常的に運転をするドライバーであっても、「急加速」「一時不停止」は年齢を重ねるごとに少しずつ増えていくリスク運転であると推察できる。

脇見脇見

◆トピック2 : ミドル層のほうが発生率が高いリスク運転は「脇見」「後退時後方不確認」

「脇見」については40歳の約6回をピークに減少傾向になり、60歳には約半分の約3回に減少する。また「後退時後方不確認」についても、30歳以降から約2.5回程度発生するが、55歳からやや減少傾向が見られる。年齢と共に減少するリスク運転もある。

「脇見」や「後退時後方不確認」はミドル世代に多く、年齢以外の要因によって傾向が表れていると推測できる。

「急減速」「急ハンドル」「車間距離不足」「速度超過」「急減速」「急ハンドル」「車間距離不足」「速度超過」

◆トピック3 :「急減速」「急ハンドル」「車間距離不足」「速度超過」では年齢を重ねることによるリスク運転の変化は見られない

年齢を重ねることによる差異や傾向が見えにくい項目も確認できた。「急減速」「急ハンドル」「車間距離不足」「速度超過」については、年齢によるリスク運転の変化は見られ図、高齢者に多発している状況ではないと言える。

年齢に応じて増加傾向を示していた「急加速」「一時不停止」は、ドライバーが意識することで減らせる運転行動だ。モビリティテクノロジーズでは、「まずはこの両リスク運転を起こさないという意識を持つと、より安全な運転につながる」と考える。

AIドラレコサービスDRIVE CHARTは、街を走行するタクシーや営業車、走行距離の長いトラックなど、プロの現場で多く採用される交通事故未然防止の支援サービスで、現在契約車両は約3万台(2022年6月時点)約3万台が導入されている。

ドラレコの映像、地図情報、GPS情報、加速度センサーなどの情報をAIが解析し、事故リスクが高い危険運転を自動的に抽出し、安全運転管理者だけではなくドライバー本人にもレポートすることで、事故の未然防止を支援する。また、日々蓄積される運転データを分析することで、今回のように運転に関する定説の真偽を検証できる。

抽出データ条件
●期間:2021年11月~2022年1月
●車種:指定なし
●会社数:37社(うちタクシー32社、営業車3社、トラック1社、バス1社)
●対象者:
1:60歳以上の高齢者ドライバーを30名以上雇用している企業の、20歳~70歳代のドライバー9183人の走行データ
2:オフィスが東京、神奈川、埼玉、千葉にあるドライバー
●走行距離:3カ月間で1000km以上を走行
●抽出対象となるリスク運転:急加速/急減速/急ハンドル/車間距離不足/脇見/一時不停止/速度超過/後退時後方不確認(全8種類)
※一時不停止=停止線を超えた停車、もしくは停止線で止まらなかった事象
※後退時後方不確認=前進停止してから即時(約1秒以内)に加速して後退した事象


《高木啓》

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