ケーブルメンテナンスでも音が変わる![音を良くする“ひと手間”]

高品位な端子の一例(オーディオテクニカ・レグザット AT-RXT48R)。
高品位な端子の一例(オーディオテクニカ・レグザット AT-RXT48R)。全 5 枚

当特集では、主要なユニットの交換や追加ではない「音を良くするための“もうひと手間”を多角的に紹介している。今回は、「配線メンテナンス」というテーマで、さまざまな“小ワザ”を紹介していく。

端子類のチョイスに無頓着であったなら、そこも“伸びシロ”に!

以前、スピーカーケーブルを交換するという“もうひと手間”を紹介した。「ケーブルは何でも同じ」と思われることもあるが、実際はそうではない。伝送過程でも信号の劣化やノイズの混入が起こり得る。より良いケーブルを使えばそれらを少なくでき、音が良くなる。

なお実をいうと、配線に関してはケーブル自体の質の他にも、音に影響する部分がいくつかある。今回はそれらをさまざま紹介していく。

まずは、「端子類の見直し」も有効な“もうひと手間”になり得る。カーオーディオでは各種配線をするにあたり、ケーブルの末端に「端子」が取り付けられるケースが多い。例えばメインユニット裏では各種ケーブルの先端に「ギボシ端子」が取り付けられることがある。また、電源ケーブルでは末端に「リングターミナル」が装着されることも多い。

そういった端子類にも、音に効くものがさまざま出ている。それらでは素材そのものやメッキのタイプ等にこだわりが注がれていて、伝送過程における信号のロスが起こりにくいように工夫されている。もしも端子類のチョイスに無頓着であったなら、そこも確実に“伸びシロ”となる。それらをアップグレードすることで、音の変化を生み出せる。

市販スピーカーケーブルの一例(M&Mデザイン・SN-MS2500lll)。市販スピーカーケーブルの一例(M&Mデザイン・SN-MS2500lll)。

スピーカーケーブルのリフレッシュも音に効く!

ところで、端子を付けずに導体を直接機器に取り付ける場合には特に、ケーブルを一旦外して末端を少々カットしてから被膜をむいて接続し直すと、音が良くなることが多い。というのも、むき出しになっている導体部分は徐々に酸化していくので、それにともない通電性も多少なりとも落ちていく。なのでその酸化した部分をカットしてリフレッシュすると、通電性がアップし音が良くなる。

さて続いては、電源配線に特化した事柄を紹介していこう。まずは、メインユニットのアースについて。

ご存知のとおりクルマの電装品の電源配線は、プラス側はケーブルにて行われるがマイナズ側はボディがケーブルの役目を果たす。なので機器のマイナス側の配線作業は、ボディのどこかしらに接続する「ボディアース」にて完了できる。その「ボディアース」の取り方を見直すことでも、音が良くなることがある。

市販パワーケーブルの一例(チェルノフケーブル・STANDARD DC POWER 8AWG)。市販パワーケーブルの一例(チェルノフケーブル・STANDARD DC POWER 8AWG)。

「ボディアース」部分のクリーニングも、音質向上に効果あり!

まず、通電性の悪い場所で「ボディアース」を取っていると電源供給に悪影響が出る。例えば、塗装がされている部分で「ボディアース」を取るのは御法度だ。また、鉄がむき出しになっている場所で行っていても、その部分のサビや汚れを落としていないと通電性は落ちている。

なので「ボディアース」をしている箇所を確認し、もしも良好な状態で行われていなかったら、施行箇所を変更しよう。なおこれは、パワードサブウーファーや外部パワーアンプについても同様だ。これらを「カーオーディオ・プロショップ」にて取り付けた場合には不備はないはずだが、もしも自分で取り付けたのなら、見直す価値は低くない。

さらには、「アーシング」も有効な音質向上策と成り得る。「アーシング」とは、ボディとメインバッテリーとの接続部分をバージョンアップさせる作業のことを指す。具体的にはさまざまなコツがあるのだが、その部分のケーブルにより上質なものを使ったり、アースポイントを増やしたりすることでマイナス側の通電性が車両の全体でアップする。そのことがカーオーディオ機器の動作にも好影響をもたらしてくれる、というわけだ。

ちなみに、「アーシング」を見直すことで走行性能への影響も出ると言われている。興味があれば「カーオーディオ・プロショップ」にて相談し、ぜひともトライを。

今回は以上だ。次回以降も、「音を良くするための“もうひと手間”」をさまざま紹介していく。乞うご期待。

《太田祥三》

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