キャデラックの次世代EVセダン、『セレスティック』…内外装を公開

スマートルーフガラスを備えた最初の市販車のひとつになる見通し

プライバシー機能を備えたフリーフォームディスプレイ

キャデラック・セレスティック のショーカー
キャデラック・セレスティック のショーカー全 10 枚

キャデラックは7月22日、将来のフラッグシップEVセダンのプレビューモデル、『セレスティック』(Cadillac Celestiq)のショーカーを米国で発表した。

◆スマートルーフガラスを備えた最初の市販車のひとつになる見通し

セレスティックは、キャデラックブランドの新たなフラッグシップセダンに位置付けられる。ラグジュアリーEVの新しい基準を打ち立てるべく、開発されているセレスティックは、エンジニアリングとテクノロジーを再定義するというキャデラックの取り組みを具体化しているという。

ショーカーの開発において、デザインとエンジニアリングチームは、戦前のV16エンジン搭載の「コーチ」や1957年製の『エルドラド・ブロアム』など、初期のキャデラックセダンの特長だったクラフトマンシップを重視した。セレスティックはキャデラックの伝統の集大成になるという。

セレスティックは、スマートルーフガラスを備えた最初の市販車のひとつになる見通しだ。このスマートガラスでは、各乗員の好みに応じて、ガラスルーフの透明度を設定できる。さらに、55インチサイズのLEDディスプレイを採用する。高解像度の5つのLEDインタラクティブディスプレイと、走行状況の95%で、ハンズフリー運転を可能にする先進運転支援システム(ADAS)、「ウルトラクルーズ」も装備する。

キャデラック・セレスティック のショーカーキャデラック・セレスティック のショーカー

◆プライバシー機能を備えたフリーフォームディスプレイ

セレスティックのインテリアは、開放的で広々とした空間を目指した。すっきりとしたデザインに細部にまでこだわったディテールを組み合わせて、他車にはない体験を演出するという。

フロントシートの乗員向けには、ドライバーの注意散漫を軽減するのに役立つアクティブなプライバシー機能を備えたフリーフォームディスプレイを採用する。後席の乗員には、パーソナライズされたエンターテインメントモニターが装備される。前席と後席の間のコンソールディスプレイには、注意散漫を最小限に抑えるために、空調などの設定機能をエンターテインメントディスプレイから独立させている。

キャデラックは、セレスティックは将来のフラッグシップセダンとして、キャデラックのパイオニア精神を具体化し、ラグジュアリーEVの新基準を設定することに焦点を当てていくという。具体的には、シートやドアトリムなどに、赤とシルバーを効果的に使用する。キャデラックによると、高いレベルのクラフトマンシップを追求し、キャビン内の美しい動きの感覚を表現しているという。

キャデラック・セレスティック のショーカーキャデラック・セレスティック のショーカー

◆GMが開発した第3世代のEVプラットフォーム

セレスティックのベースは、GMが開発した第3世代のEVプラットフォームだ。GMの新世代EVプラットフォームは、柔軟性があると同時に、設計や開発にかかる時間を短縮し、顧客の要望に迅速に対応することを可能にした。キャデラックをはじめ、シボレー、GMC、ビュイックの各ブランドのさまざまな車種に、GMの新世代EVプラットフォームは拡大展開される予定だ。

GMの新開発グローバルEVプラットフォームは、優れたデザイン、パフォーマンス、パッケージング、航続を追求している。GMが開発した「アルティウム」バッテリーも採用される。アルティウムは、大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内で垂直にも水平にも積み重ねることができるのが特徴だ。これにより、エンジニアは各車両のデザインに応じて、バッテリーの蓄電容量やレイアウトを最適化することができる。

アルティウムバッテリーの蓄電容量は、50~200kWhだ。アルティウムバッテリーによって駆動するEVは、レベル2の直流(DC)急速充電に対応して設計されている。多くの車両が、400Vのバッテリーパックで最大出力200kWの急速充電機能を備える。自社開発による電気モーターは、前輪駆動(FWD)、後輪駆動(RWD)、全輪駆動(AWD)、パフォーマンスAWDに対応するという。

なお、セレスティックの市販モデルのさらなる詳細については、2022年内に明らかにされる予定だ。


《森脇稔》

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