整備設備・工具の売買プラットフォーム「メカコミ」立ち上げ…業界支援 トヨタ自動車

トヨタ自動車株式会社 カスタマーファースト統括室 中谷友昭氏
トヨタ自動車株式会社 カスタマーファースト統括室 中谷友昭氏全 5 枚

今年6月にトヨタ自動車は、全国の整備工場で使用されず眠っている設備・工具を専門業者が査定して買い取る、および工場間で直接売り買いできるプラットフォーム「メカコミ」を正式リリースすることを発表した。

自動車業界は現在、CASEや MaaS (Mobility as a Service) を代表とする100年に一度の大変革期を迎えている。特に自動車アフターマーケットを支える整備業界では、後継者問題、人手不足、そして設備投資負担の増加といった課題が顕在化している。トヨタ自動車ではこれらの業界課題に立ち向かうため、設備投資負担の軽減を目指し同サービスの立ち上げを決定したという。また同時に「棄てる」から「リユース」に意識を変えることでカーボンニュートラルへの貢献も目指している。

トヨタ自動車株式会社 カスタマーファースト統括室 中谷友昭氏は、トヨタ自動車が整備業界の支援を目的に活動を行うことについて「整備業界は人材不足や整備の高度化により、廃業が加速化しているのが実情です。整備業界における販売店の割合は20%程度に過ぎず、販売店がない地域もたくさんあります。そういった地域で頼りになるのが専業の整備工場ですが、小規模でやっている工場が多く設備投資に悩みを抱えているという話を多く聞きます。そういった観点から整備業界の支援は、自動車メーカーとして必要なことだと考えています」と述べた。また同氏は「買取業者だけでは、整備工場や販売店との関係が限定的なので難しい、トヨタ自動車なら売り手、買い手双方と程よい関係値を持っているのが強みです」とトヨタ自動車だからできる部分についても触れられた。

サービス体制としては、トヨタ自動車が全体運営を担当、中古設備専門業者(エステック、リユースラボ)が買取・出品を担当、設備メーカー(安全自動車、イヤサカ、バンザイ)が企画検討やサービス運営サポートを担当する。現在はトヨタの販売店からの出品が多い状況だが、今後は販売店以外にも広げていきたいと話す。また「EVの普及が進めば設備の入れ替えが進むことが予想される。それまでにサービスの形を作り上げていきたい」と前述の中谷氏は今後の展望について考えを述べた。

これまでもヤフオクなどを通じての売買はあったが得体の知れない相手との取引ゆえにトラブルも多いと聞く、トヨタ自動車という業界を代表するトップ企業が後ろ盾となることで整備機器のリユースが活発化することを期待したい。

整備業界の支援を目的に…トヨタ自動車が整備設備・工具を売買できるプラットフォーム「メカコミ」を立ち上げ

《カーケアプラス編集部@市川直哉》

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