[DSPのススメ]チョイスのキモは“将来性”!?

「パワーアンプ内蔵DSP」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。
「パワーアンプ内蔵DSP」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。全 5 枚

クルマの中で良い音を楽しもうとするときには、「DSP」が役に立つ。当特集ではその理由から、選び方そして活用法までを解説している。今回は、「パワーアンプ内蔵DSP」の選び方を説明する。

◆「チューニング機能」はおしなべて高性能。そこには大きな違いはない。

まず、「パワーアンプ内蔵DSP」を選ぶ際には「チューニング機能」の性能についてはあまり気にしなくてOKだ。なぜならば、名の通ったブランドの製品ならばいずれも高性能だからだ。例えば「イコライザー」は、ほとんどの機種が「ch独立31バンドタイプ」だ。そうであれば使用するスピーカーがフロント2ウェイだった場合、ツイーターとミッドウーファーのそれぞれで「31バンド」という細かさで調整できる。

ちなみにいうと、ハイエンドメインユニットに搭載されている「DSP」のイコライザーが「ch独立タイプ」である機種はまれだ。つまり、ツイーターとミッドウーファーを個別にチューニングすることはできない場合がほとんどだ。「パワーアンプ内蔵DSP」の「チューニング機能」は基本的に、ハイエンドメインユニットより高性能、というわけだ。

もちろん、機種ごとでの性能差がないわけではない。例えば「タイムアライメント」機能の1ステップの刻み幅などは、微妙な違いがある。しかしそういった微細な差は、サウンドコンテストに出場するようなとことん高音質を突き詰めようとするクルマでなければ、こだわるべきポイントにはならない。あくまでも、差はわずかだ。

「パワーアンプ内蔵DSP」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。「パワーアンプ内蔵DSP」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。

◆将来的に組みたいシステムをイメージして、それに対応可能なモデルを選ぶベシ!

となると、何を基準に選べば良いのかというと…。

チェックしたいポイントは主には3点ある。まず1点目は、「コントロールできるch数」だ。例えばコントロール可能なch数が「6」の場合には、フロント3ウェイ、フロント2ウェイ+サブウーファー、フロント2ウェイ+リア、これらに対応するが、フロント3ウェイ+サブウーファーには対応しない。これに対応させるにはコントロール可能なch数が「8ch」必要となる。またそれに加えてリアスピーカーやセンタースピーカーもコントロールしたいと考えるなら、「8ch」でも足りなくなる。

なお後々コントロールできるch数が足りなくなったときには、必要なch数を備えたモデルに買い替えるしか手がない。コントロール可能なch数の後からの変更は、すべての機種で不可能だ。なので購入する段階で、自分が将来的にどんなシステムを組みたいのかをよく考えて(2ウェイ+サブまでで良いのか、3ウェイ+サブにも興味があるのか等々)、それをコントロールできる「ch数」を備えたモデルをチョイスしよう。ここのところは至極重要だ。

「パワーアンプ内蔵DSP」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。「パワーアンプ内蔵DSP」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。

◆内蔵パワーアンプのch数と出力も要チェック!

チェックポイントの2つ目は、「内蔵パワーアンプのch数」だ。なお、パワーアンプは後から買い足せる。なので初期投資を抑えたい場合には、内蔵パワーンプのch数が少ないモデルを選ぶとリーズナブルなモデルを手にしやすくなる。

ところで内蔵パワーアンプのch数が多めでも、価格を抑えるために、あるいは小型化を図るために1chあたりの出力を小さくしているモデルもある。出力と性能は比例するわけではないが、小さすぎる場合には音にこだわろうとするときに不利がでかねない。ある程度は出力は大きめのモデルの方が音的にはアドバンテージを発揮する。というわけなので、内蔵パワーアンプのch数については出力も勘案しながら、そして予算も踏まえて総合的に判断しよう。

最後、チェックポイントの3つ目は、「デジタル入力端子の有る無しとタイプ」だ。高音質なDAPを繋いでハイレゾ音源を聴きたいと思う場合には、DAPをデジタル接続できるモデルを選びたい。そしてハイスペックなハイレゾ音源を聴きたい場合にはそれに対応する仕様が確保されているかどうかも確認し、さらにはデジタル入力端子のタイプもチェックしよう。手持ちのDAPのデジタル出力端子と同タイプだとベストだ。

今回は以上だ。次回は具体的にどのようなモデルがあるのかを紹介する。乞うご期待。


《太田祥三》

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