タイムアライメントは音量バランスの吟味が決め手[サウンドチューニング]

「タイムアライメント」の設定画面の一例(フォーカル・FSP-8)。
「タイムアライメント」の設定画面の一例(フォーカル・FSP-8)。全 4 枚

カーオーディオでは、「チューニング機能」を活用することで聴こえ方を変えられる。ただしその設定は簡単ではないので、プロに操作を依頼すべきだ。しかし、それとは別に自身でも実践してみると楽しめる。当連載ではそれを推奨し、手順やコツを解説している。

現在は「タイムアライメント」の設定方法を紹介している。で、ここまでは仮設定の方法と左右それぞれのツイーターとミッドウーファー間の微調整のやり方を説明してきた。それに引き続いて今回は、フロントスピーカー全体の整え方を解説していく。

ちなみにこの調整は、モノラル音源を使うとやりやすい。しかも、低音から高音までがバランスよく録音された音源が望ましい。例えばジャズナンバーで、ボーカル、管楽器ソロ、ピアノソロ、ベースソロというように、音域の異なるいくつかの楽器が入れ替わりで主役を務めるようなテイクだとベストだ。そうであると、音域ごとでも「タイムアライメント」を確認できる。

ところでフロントスピーカー全体の「タイムアライメント」の微調整においてポイントとなるのは、各スピーカーの「音量バランス」だ。なのでまずはそこのところをアジャストしていこう。で、そのときに気を付けるべきポイントは以下のとおりだ。センター定位させたい場所に10cm口径くらいの「仮想スピーカー」が浮かび上がるかどうか。この点に注意しながら音量バランスを整えていく。

なおこのとき、音域の異なるソロ楽器のそれぞれで「仮想スピーカー」の位置が異なっていたら、それはまだ未完成状態だと判断できる。そうであればその状態が解消されるように各スピーカーの音量バランスを変えていこう。

そしてさらに「タイムアライメント」の設定数値も微調整してみる。そして「仮想スピーカー」の大きさや位置を動かしてみよう。

ただし全体を整えながら適宜、左右それぞれのツイーターとミッドウーファー間の「タイムアライメント」設定も見直そう。そうしてツイーターとミッドウーファー間に存在していた「仮想スピーカー」の定位感が甘くなっていたらそれを修正し、また全体を確認する。このように全体を整えながらも、左右それぞれで狂いが出ないように気を付けて作業を進めていこう。

かくして、センターにくっきりと10cm口径くらいの「仮想スピーカー」が現れると、情報量がぐっと上がる。そしてその上で、「仮想スピーカー」の大きさが適切で、輪郭がシャープで、しかも高音から低音までが同じ位置に定位するように調整を煮詰めていこう。

今回は以上だ。次回は、フロントスピーカーとサブウーファー間の「タイムアライメント」調整の方法を紹介する。お楽しみに。

《太田祥三》

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