【ルノー キャプチャー E-TECH 新型試乗】“クルマを走らせている感”が味わえるフルハイブリッド…島崎七生人

ルノー キャプチャー E-TECH HYBRID
ルノー キャプチャー E-TECH HYBRID全 16 枚

『アルカナ』『ルーテシア』に続く、E-TECH HYBRID搭載車が『キャプチャー』からも登場した。同システムを搭載するルノー車はこれで3モデル目、しかも今や市場で人気のど真ん中のコンパクトSUVということで、これは期待も高まろうというものだ。

E-TECH HYBRIDを搭載するルノー キャプチャー(左)とアルカナ(右)E-TECH HYBRIDを搭載するルノー キャプチャー(左)とアルカナ(右)

改めておけば、このシステムは1.6リットルの4気筒自然吸気エンジン(69kW/148N・m)に2つのモーター(駆動に使うメインのE-モーターと、スターター、ジェネレーター、さらに変速時のギヤの回転合わせに使うHSG)からなる。これに組み合わせられるのが電子制御ドッグクラッチマルチモードATで、エンジン側の4速、モーター側の2速を使いながら(共通の“段”が2つあるので全12通りだそう)、最適に動力性能を引き出しながら走る……ごく簡単にいうとそういうことになる。一般的なクラッチでは駆動力の断続が実行されるが、F1と同じドッグクラッチにより、前述のとおりモーターでギヤの回転を合わせながら電光石火の変速を実行するのが特徴だ。

とはいえ犬の歯で噛みつくイメージから、ガシガシとメカ的なショックや音が立つのでは?などと想像もするが、実際は呆気ないほど超スムースなドライバビリティだった。注意深く意識しなければ変速のタイミングは実感できないし、パワーマネージメントも実に洗練されている。

ルノー キャプチャー E-TECH HYBRIDルノー キャプチャー E-TECH HYBRID

ザックリいうと発進はモーターで、高速走行時は主にエンジン駆動で走る。モーター自体は36kW(49ps)/205Nmの性能があり、エンジンにモーターが“加勢”すると、(くだけた言葉使いでいうと)何気にパワフルさも実感できる。フルハイブリッドであるが、ほとんどの場面でクルマとして違和感を覚えない走りに仕立ててあるところがルノーらしい。

車重は1420kgあり『ルーテシア』より90kg重い。だが重さを見方につけたパターンで乗り味はシッカリとしており、かといってコンパクトSUVらしい軽快な走りっぷりは失われていない。最新のルノーらしい“クルマを走らせている感”も味わえる。車内を改めて見渡せば全体の上質感も上々だし、なかなかクールなクルマだ。

ルノー キャプチャー E-TECH HYBRIDルノー キャプチャー E-TECH HYBRID

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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