【ルノー キャプチャー E-TECH 新型試乗】HV化でひよるどころか、心臓をわしづかみにされた…岩貞るみこ

ルノー キャプチャー E-TECH HYBRID
ルノー キャプチャー E-TECH HYBRID全 16 枚

今回のワンポイント確認は、『キャプチャー』がハイブリッド(以下HV)になって、走りの楽しさはどうなの? である。

コンパクトSUVは、私のドツボに刺さるカテゴリーである。キャプチャーも、ちょっとクセのあるデザインで、ちっちゃいのに己を見失わないマイペースさにぐいぐい魅かれるのである。

ルノー キャプチャー E-TECH HYBRIDルノー キャプチャー E-TECH HYBRID

そのキャプチャーが、HVである。正しくは、『E-TECH HYBRID(イーテックハイブリッド)』と命名されている。いや、名前はともあれHVは、HVだろう。走りのルノーもHVか。ひよったな、キャプチャー。まあ、世の中に電動化の砂嵐が起こっている今、当然の動きといえばそうなのだが。

ところが、試乗後の結論を先に言っちゃうと、キャプチャーのHVはひよるどころか、心臓わしづかみにされるほど、惚れ惚れする走りっぷりを披露してくれたのである。

口が開いてしまうくらい滑らかなパワートレイン

ルノー キャプチャー E-TECH HYBRIDルノー キャプチャー E-TECH HYBRID

まず、発進するときは、モーターで走り出す。スムーズで、するすると速度を上げていく。まさにモーターの真骨頂というところだ。そして、ある程度、速度が出ると、エンジンがかかり状況に応じてエンジン担当とモーター担当、あるいは同時にとなるのだが、この切り替わりが「はあ?」と口が開いてしまうくらい滑らかなのだ。

さらに言うと、エンジンは1.6リットルで、採用されているATのシステムは、電子制御ドッグクラッチマルチモードATという長い名前のもので、通称ドッグクラッチと呼ばれているのだが、このギアチェンジがこれまた「はい?」というくらいスムーズなのである。このAT、レーシングカーで使用されていて、コンパクトで走りがよくなる利点がある反面、ギアが切り替わるときにガツガツ振動がくる欠点があった。しかし、その振動がまったくないのである。

ルノー キャプチャー E-TECH HYBRIDルノー キャプチャー E-TECH HYBRID

耳をすませば、エンジンルームの奥の方でときどき、「ガッ」とか「ゴゴッ」といった音が聞こえてくる。これがドッグクラッチの音なのか?と思いつつも、しかし、それは振動としてはぜんぜん伝わらず、もちろん走りにも一切影響を及ぼさないのだ。

結果として、これは電気自動車かと思うほどなめらかで、アクセルを踏んだときの胸のすくパワフルさがあり、さらにアクセルペダルへの応答性がめちゃくちゃよく、スポーティにぐいぐい走れるクルマが出来上がったというわけだ。

ハイブリッドが苦手としている高速での燃費もいい

ルノー キャプチャー E-TECH HYBRIDルノー キャプチャー E-TECH HYBRID

バッテリーを積んだ分、重量は+110kg。しかし、二段になった荷室の床下の深さが少し浅くなった程度で、通常使いには影響はない。それどころか、カタログ燃費はエンジン搭載車に比べ、リッターあたり17.0kmから22.8kmにまで向上している。このE-TECH HYBRID、HVが苦手としている高速での燃費もいいのである。

なめらかで、しなやかに走る小型コンパクトSUV。こういうクルマは、前向きで活動的な女子にぜひ乗ってもらいたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 新型『CLA』を生産するメルセデスベンツ「最新デジタル工場」の現場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る