樹脂化eアクスルの反響と可能性、新規事業で売上3000億円目指す…住友ベークライト

アルミダイキャストと比べて2、3割の軽量化を実現

樹脂は永久磁石の固定やインバーターにも活用

近年、樹脂加工関連技術が大幅に進化

「手ごたえはある。2号機は来年のうちに実現したい」

住友ベークライト 次世代電動アクスル事業化推進プロジェクトチームの西川敦准 主幹
住友ベークライト 次世代電動アクスル事業化推進プロジェクトチームの西川敦准 主幹全 15 枚

住友ベークライトは今年5月に開催された人とくるまのテクノロジー展にて「樹脂化eアクスル」を出展し、注目を集めた。

国内におけるプラスチックのパイオニアとして創業し、半導体では世界1位の規模を誇る同社が、急速に進む電気自動(EV)への移行に際し、モーター駆動および制御系の現物を自社で開発したことへの驚きも大きかったはずだ。開発プロジェクトを推進した次世代電動アクスル事業化推進プロジェクトチームの西川敦准 主幹は語る。

西川敦准氏(以下敬称略)「モーターの回転子(ローター)で使われる永久磁石を固定するため樹脂を用いることは、十数年以上前からあり、自動車メーカーで多くの採用例があります。しかし樹脂の利用はそれにとどまらず、広い範囲で考えられました。そこで各社への提案をはじめたのですが、樹脂の素材特徴や数値を示すだけでは具体性に欠け、自動車メーカーの担当者も今一つ判断しにくい様子が見られました。そこで、製品の実物を我々自身で作り、説明にあがるのがよいのではないかと、2020年1月にプロジェクトとしてはじめました」


《御堀直嗣》

御堀直嗣

御堀直嗣|フリーランス・ライター 玉川大学工学部卒業。1988~89年FL500参戦。90~91年FJ1600参戦(優勝1回)。94年からフリーランスライターとなる。著書は、『知らなきゃヤバイ!電気自動車は市場をつくれるか』『ハイブリッドカーのしくみがよくわかる本』『電気自動車は日本を救う』『クルマはなぜ走るのか』『電気自動車が加速する!』『クルマ創りの挑戦者たち』『メルセデスの魂』『未来カー・新型プリウス』『高性能タイヤ理論』『図解エコフレンドリーカー』『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップトークス』『快走・電気自動車レーシング』『タイヤの科学』『ホンダF1エンジン・究極を目指して』『ポルシェへの頂上作戦・高性能タイヤ開発ストーリー』など20冊。

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