留萌本線の段階的廃止が事実上決定…鈴木北海道知事「判断を重く受け止める」

23年前の留萌本線・留萌駅。駅舎は1967年に建てられ現在も使用。当時はNHK朝の連続テレビ小説『すずらん』の舞台が留萌本線になったため、ドラマにちなんだ大看板が掲げられていた。1999年4月29日。
23年前の留萌本線・留萌駅。駅舎は1967年に建てられ現在も使用。当時はNHK朝の連続テレビ小説『すずらん』の舞台が留萌本線になったため、ドラマにちなんだ大看板が掲げられていた。1999年4月29日。全 9 枚

鈴木直道北海道知事は8月31日に開かれた定例会見で、8月30日に事実上の廃止が決まった留萌本線深川~留萌間について記者の質問に答えた。

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同区間はJR北海道が公表している2021年度の線区別収支ではワースト1の根室本線富良野~新得間に次いで1日あたりの輸送密度が低く、赤字額も高かったが、単独での維持が困難とされる輸送密度200人未満の「赤・茶線区」の5線区では最後まで方向性が定まっていなかった。

しかし、8月30日に開かれた沿線自治体の会議では、深川市、秩父別(ちっぷべつ)町、沼田町、留萌市が廃止に同意。石狩沼田~留萌間を2023年3月、深川~石狩沼田間を2026年3月に廃止する方向が固まった。

これについて、夕張市長時代に石勝線夕張支線・新夕張~夕張間の廃止を決断した経験を持つ鈴木知事は「幾度となく真摯に議論を積み重ねてきた結果でございます。その判断がいかに重いものであるかということを、深く受け止めているところでございます」と述べ、今後も地域や交通事業者と寄り添いながら、利便性の高い持続的な地域交通の確保に向けて取り組んでいく考えを示した。

また、JR北海道の綿貫泰之社長が8月17日の会見で、輸送密度200人以上2000人未満の「黄線区」について廃止する考えがないと述べたことについては「『各線区の事情も踏まえながら、持続していく方策を関係者と相談していく』といった発言をされていると承知しております」と述べ、JR北海道と地域が利用促進の成果を着実に積み上げていくことが重要になるという見方を示した。

《佐藤正樹》

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