小学6年運転のカート暴走、見物の男児死亡…トヨタ系販社主催[新聞ウォッチ]

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シルバーウイーク前半の3連休は、「過去最大クラス」と呼ばれる台風14号が日本列島などを直撃。西日本各地は猛烈な風雨に見舞われて、九州や四国では住宅の浸水や土砂崩れ、建物の損壊が相次いだ。宮崎県では2人が死亡し、広島県でも1人が行方不明になっているという。

交通網も遮断され、九州新幹線は博多~鹿児島中央間が終日運休。山陽新幹線も一部区間で終日運休したほか、東海道新幹線も名古屋~新大阪間で運転を取りやめた。空の便では日本航空と全日本空輸で計約850便が欠航。きょう9月20日も西日本発着便を中心に両社で約70便の欠航を決めているという。

それでも、この3連休は台風の影響が少なかった東日本では予定どおりイベントなどが開催されたようだ。そんな中、北海道の森町でトヨタ自動車系ディーラーなどが主催したモータースポーツ関連のイベントでは、小学6年で11歳の女児が運転するカートが暴走し、観客に突っ込み子供3人がはねられて、このうち、意識不明の重体となっていた2歳の男児が亡くなるという悲惨な事故も発生した。

9月19日朝刊の速報に続いて、きょうの各紙にも「重体の2歳男児死亡」などと、社会面の片隅に小さな記事で取り上げているが、産経と日経は「北海道警森署が搬送先の病院で死亡したと明らかにした」として、「事故は18日午前,森町の宿泊施設敷地内で開かれたモータースポーツを体験できるイベント中に発生」とだけ報じ、主催者の名前は伏せている。読売と毎日も「事故は18日昼前、ホテル『グリーンピア大沼』の駐車場で行われたゴーカートの運転体験イベントで発生」と、まるでホテルが主催したようなニュアンスで伝えている。

もっとも、朝日は「地元のトヨタ自動車系ディーラー」と掲載。東京は「イベントは函館地区にあるトヨタ自動車の関連4社が共催。モータースポーツやトヨタ車の試乗などをすることができた」と取り上げた。

これまでの報道では「事故を起こしたゴーカートは最高時速50キロが出る仕様」とか「今回のコースではゴーカートは時速40キロで走っていた」、さらに「観客の前には三角カラーコーンと樹脂製の棒で仕切られていただけ」などと、安全管理対策に問題がなかったのかも大いに問われる。モータースポーツは、「若者のクルマ離れ」などを防ごうと社会貢献の一環として「モリゾウ」で知られる豊田章男社長が肝いりで全国的に啓蒙活動を展開中。それだけに、地元の販社の共催とはいえ、見物していた尊い幼い命を失うという悲惨な暴走事故の発生は何とも無念でショックだろう。

2022年9月20日付

●英女王世界が別れ、国葬元首・王族ら500人、両陛下が参列(読売・1面)

●台風14号宮崎2人死亡、九州・中国など106人けが(読売・1面)

●トヨタ工場12カ所で停止、台風14号(朝日・4面)

●岸田内閣支持最低42%、本社・FNN合同世論調査、物価高「評価せず」77%(産経・1面)

●鉄道古物の逸品販売、鉄道開業150年記念、来月からJR八王子支社(東京・18面)

●走行中のEV道路から給電、大林組、デンソーと連携、25年めど実用化めざす(日経・1面)

●中古車サブスクに参入、ソフトバンクAI活用、料金割安に(日経・9面)

●「最強級」3連休の交通遮断、航空欠航、新幹線も順次運休、旅行者「帰宅できるか」(日経・27面)

●重体の2歳児が死亡、北海道のゴ―カート事故(日経・27面)

《福田俊之》

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