フォード初のEVピックアップトラック『F-150ライトニング』、航続515km…デトロイトモーターショー2022

フロントに多用途の「ハイテクメガパワートランク」

ツインモーターは最大出力563hp

他のEVを車車間充電することも可能

フォード F-150 ライトニング
フォード F-150 ライトニング全 10 枚

フォードモーターは9月14日、米国で開幕したデトロイトモーターショー2022に、フォードブランド初のEVピックアップトラック『F-150ライトニング』(Ford F-150 Lightning)を出展した。

◆フロントに多用途の「ハイテクメガパワートランク」

フォード F-150 ライトニング(デトロイトモーターショー2022)フォード F-150 ライトニング(デトロイトモーターショー2022)

内燃エンジン搭載の『F-150』とは異なるEV専用のエクステリアを採用する。フロントマスクを横切るLEDライトバーが選択できる。空力性能も追求されており、新設計のランニングボード、空気抵抗を減らすためのフロントフード、専用デザインの空気取り入れ口を設けたグリルなどがある。

エンジンを持たないフロントフードの中には、多用途の「ハイテクメガパワートランク」が設けられた。この収納スペースは安全にロック可能で、電動開閉システムでアクセスできる。収納スペースは、400リットルの容量を備えており、約180kgまでの荷物の積載が可能。フォードモーターは、機内持ち込み手荷物2個とスーツケース1個、またはゴルフクラブ2セットを収納するのに充分という。

最新のコネクティビティとして「SYNC 4A」が初採用される。これは、15.5インチの大型タッチスクリーンを核としたシステムだ。SYNC 4Aは、自然な音声コントロール、クラウドに接続されたナビゲーション、Apple 「CarPlay」、グーグルの「Android Auto」へのワイヤレスアクセス、アマゾン(Amazon)の「アレクサ(Alexa)」や「SYNC AppLink」アプリの車載化を実現している。ドライバー正面には、12インチのデジタルインストルメントクラスターを採用した。重要な情報を表示するとともに、カスタマイズ可能なインターフェイスを備えている。アニメーショングラフィックスには、回生ブレーキによるバッテリーへの蓄電状況など、各種情報を分かりやすく表示する。

◆ツインモーターは最大出力563hp

F-150ライトニングには、フォードモーターの最新の電動化テクノロジーが搭載されている。前後アクスルに搭載されるモーターは標準モデルが最大出力426hp、上位モデルが最大出力563hp。最大トルクは、どちらも107.2kgmを引き出す。強力なツインモーターは4輪を駆動し、上位モデルの場合、0~96km/h加速4秒台半ばの性能を発揮する。最大積載能力は標準モデルで約900kg。牽引能力は上位モデルで4.5トン以上を目標に掲げている。

バッテリーは新世代の水冷式リチウムイオンだ。バッテリーの蓄電容量には2種類がある。充電に関しては、自宅向けに80アンペアの充電システムを標準装備した。デュアルオンボード充電システムを利用すれば、さらに高速な自宅での充電を可能にする。フル充電にかかる時間は約8時間だ。

外出先では、北米最大の公共充電ネットワークに「FordPass」を通じてアクセスできる。全米の6万3000か所以上の充電ステーションでは、最大出力150kWでDC急速充電が行える。10分で最大約87kmの航続に必要なバッテリー容量を充電可能。約40分でバッテリーの80%を充電できる。1回の充電での航続は、最長で515kmに到達する。

◆他のEVを車車間充電することも可能

フォード F-150 ライトニング にオプション設定された車車間充電システム「プロパワーオンボード」フォード F-150 ライトニング にオプション設定された車車間充電システム「プロパワーオンボード」

他のEVを車車間充電できる機能をオプション設定した。このオプションは、「プロパワーオンボード」と呼ばれるものだ。発電機と大容量バッテリーシステムのおかげで、他のEVを車車間充電することができる。車車間充電には、専用の240ボルトコンセントを使用する。

プロパワーオンボードの充電出力は、9.6kWと7.2kWの2種類だ。たとえば、F-150ライトニングのプロパワーオンボードを、フォード『マスタング』シリーズのEV、『マスタング・マッハE』に接続すると、20マイル(約32km)の航続に必要なバッテリー容量を1時間で充電できる。

F-150ライトニング同士の車車間充電では、最大13マイル(約21km)の航続に必要なバッテリー容量を1時間で充電可能。商用EVのフォード『Eトランジット』に接続した場合、10マイル(約16km)の航続に必要なバッテリー容量を1時間で充電できる。フォードモーター以外の自動車メーカーのEVを充電することも可能、としている。


P-38 ライトニング 飛行機 ダイキャスト 【6インチ】
¥2,640
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 新型『CLA』を生産するメルセデスベンツ「最新デジタル工場」の現場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る