テスト車両は購入して調達! 「自動車アセスメント」にて行われている試験内容とは…。 【カーライフ 社会・経済学】

「ナスバ(独立行政法人 自動車事故対策機構)」がYouTubeにて公開している、「自動車アセスメント」にて実施されたスバル・レガシィアウトバックのテスト動画の1シーン。
「ナスバ(独立行政法人 自動車事故対策機構)」がYouTubeにて公開している、「自動車アセスメント」にて実施されたスバル・レガシィアウトバックのテスト動画の1シーン。全 7 枚

カーライフに関する「社会・経済」情報を横断的に紹介している当コーナー。前回は、「自動車安全性能評価」というものがあること、そしてその概要を紹介した。今回は、そこで行われているテスト内容について詳細に説明していく。

最初に前回の記事内容を簡単におさらいしておきたい。自動車メーカーのHPにて「自動車安全性能 ファイブスター賞」というワッペンの画像を見かけることがあるが、これは、国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA<ナスバ>)によって授与されているものだ。国交省と「NASVA」は、ユーザーがより安全な自動車を選べるように、そしてメーカーによる安全な自動車の開発を促せるように「自動車アセスメント事業(JNCAP<ジェイエヌキャップ>)」を1995年より推し進めてきた。

で、当活動では毎年国産市販車の安全性能が評価されその結果が公表されている。ちなみに2021年度は12車種がテストされ、その中で特に安全性能が高かった1車種に「自動車安全性能 ファイブスター大賞」が、それに次ぐ高評価が得られた計8車種に「自動車安全性能 ファイブスター賞」が授与された。

さて、これにてどのようなテストが行われているのかというと…。柱は3本ある。「衝突安全性能(事故時に人を守る技術)」、「予防安全性能(事故を防ぐための新しい技術)」、「事故時の自動緊急通報(重大な事故が発生した場合に備える技術)」、これらだ。

もう少し具体的に紹介していこう。まず「衝突安全性能」の評価においては、自動車の乗員を守る技術として、「フルラップ前面衝突(正面衝突)」「オフセット前面衝突(対向車との部分衝突)」「側面衝突」「衝突後の感電保護性能」「後面衝突時の頚部保護性能」「シートベルト着用警報装置」が、また歩行者を守る技術として「頭部の保護性能」「脚部の保護性能」がテストされている。

そして「予防安全性能」では、「被害軽減ブレーキ」「車線逸脱抑制」「後方視界情報(後退時のバックビューモニターの見え方)」「高機能前照灯」「ペダル踏み間違い時加速抑制」が調べられている。

なおこれらテストのうちの主なものの試験風景を、「NASVA」がYouTubeにて公開しているテスト内容を公表する動画よりキャプチャーしたので見てほしい。画像からも分かるように、厳密にそして徹底的にテストされている。

ちなみに、テストにて使用する車両は、「NASVA」が身分を明かした上でディーラーより正規に購入している。メーカーからの支給を受けているわけではないのだ。

また、試験される車両のチョイスは基本的に販売台数を鑑みて売れ筋の車種、つまり人気車種が選定されているという。ただし、メーカーからテストしてほしい車種が挙げられそれが加えられることもあるとのことだ。

ところで各年のテスト結果は「自動車アセスメント」のHPにて確認できる。時代とともにテスト項目が変化しているのでテストされた年度が異なる車種の点数を単純比較できないが、各車の安全性能度合いを知る目安にはなる。新車購入を考えているドライバーは、候補車両のテスト結果をぜひともチェックを。

《太田祥三》

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