GR水素カローラにスクラップを活用したロアアームを装着…スーパー耐久 第6戦に参戦

32 号車ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept
32 号車ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept全 18 枚

スーパー耐久第6戦岡山3時間レースが岡山国際サーキットで15日予選、16日決勝で行われた。32号車「水素カローラ」に、スクラップを活用した電炉材で作ったリアロアアームを採用してレースに参戦した。

水素の可能性を探るためにスーパー耐久に参戦している32 号車ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept(以下水素カローラ)。水素の充填効率をあげて給水素の時間を短縮することや、水素の燃焼を緻密にコントロールすることで、パワーやトルクなどは普通のガソリンエンジン車と遜色ないところまで、スーパー耐久に参戦することで磨き上げてきた。

今回のスーパー耐久第6戦岡山国際サーキットでは、主にショックアブソーバーの改良、サスバランスの変更、東京製鐵製のスクラップ(廃棄された車から出る鉄)を活用した電炉材を、水素カローラのリアロアアームに使用してレースを走った。

イベント広場では東京製鐵株式会社もブースを展開、実際に作られたロアアームを展示した。車から出る廃棄鉄をリサイクルして鋼材を作り上げている。元々装着されているリアロアアームと比べても全く遜色ないレベルでリサイクルして作成されている。

車で使われている鉄ならば、そこに含まれる添加剤などもある程度想定がつくが、他のさまざまなスクラップ鉄ではどのような添加剤が使われているのか判別が難しく、リサイクルして車両用に搭載する要件を満たすかはなかなか難しいところもあるとのこと。

東京製鐵では、電炉をつかうことでその添加剤などもうまく処理するノウハウを持っており、リサイクルも問題ないとしている。鋼材を作り上げるのに高炉を使い石炭を燃やすよりも、電気炉を使うことでCO2も約1/4に抑えることもできるという。

実際に車両を走らせるGAZOOレーシングとしても、当然のことながら車両に使うことでの精度を要求しており、その要求をクリアしているので今回採用することになった。

GAZOOレーシングとしては、電気炉を使うことで高炉に比べればCO2削減には貢献するが、その電気を作るためにはどのようなプロセスで作られているのか。製品単体での性能は良いとしても、大きな視点でのCO2削減も考えて行きたいという。また昨今の乗用車のボディに多く使われている高張力鋼板としての精度に達するのか、なども今後検討していく必要はあるという。

リアロアアームといった足回りにとって重要パーツがリサイクル鋼材で作られたこと、そして3時間レースでも何も問題がなかったことは、今後の発展性などにも期待がもてるかもしれない。

《雪岡直樹》

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