超プレミアム燃料電池車:NamXとHOPIUM…パリモーターショー2022

NamX HUV(パリモーターショー2022)
NamX HUV(パリモーターショー2022)全 17 枚

フランスではEVは当たり前でFCVは裕福層のためのプレミアムカーとして位置づけられているのかもしれない。新興ブランドであるNAMXとHOPIUMがそれぞれの超高級FCV(燃料電池電気自動車)をパリモーターショー2022に展示していた。

HOPIUMマキナビジョンの写真

◆SUVタイプのNamX HUV

NamXのFCVはより実用的なデザインと雰囲気を持つSUVタイプのFCVだ。同社ではNamX『HUV』と呼んでいる。航続距離800km、最高出力550HP、最高速度は155MPH、0-100km/hに相当する0-60MPHは4.3秒。出力表示をkWではなく馬力表示しているところはEVとの差別化を意識しているのだろうか。

NamX HUVの特徴はメインタンクのほかにカートリッジ式の予備タンクを6本装着できる構造になっているところ。メインタンクで500km分の走行をまかなうとしているので、残り300km分を6本のカートリッジでまかなうようだ。1本あたり50kmの走行が可能となる。

トヨタ『MIRAI』が3つのタンクの合計容量が141Lで航続距離が最大850kmというので、これに近い容量だとするとメインタンクが80~90Lと予想される。

NamXでは、メインタンクを公共の水素ステーションで充填し、カートリッジは独自の水素カートリッジステーションを各所に展開する。メインタンクの充填は約3分。カートリッジ1本の交換は30秒で終わるという。

◆大型セダンタイプのHOPIUMマキナビジョン

HOPIUMのFCVはさらに未来的だ。『マキナビジョン』と名付けられた車は、かなり大きなセダンタイプだ。マキナビジョンのアナウンスは2020年にはされており、今回のパリモーターショーで正式な予約を開始した。そのための実車発表だが、広いブースにデモカーが1台置かれているだけで、車に触ったり試乗(走行はできない)したりは予約客が優先で、メディアや業界人は原則触れない状態だった。

水素タンクはフロア中央のセンタートンネル部に長いものが2本。縦に並んでいる。その左右に小さいタンクが2本。さらにリアにも太目のタンクが横向きに装着される。センタートンネルは従来車のプロペラシャフト用のでっぱりというより左右の座席を分離する仕切りとして肘の高さくらいまでせりあがっている。それだけ全幅も広い車ということだ。大型のセダンタイプとはいえ流線形でスラントなデザインだが、燃料電池はフロント部分に収められている。見せてもらった写真によるとかなりコンパクトかつシンプルなモジュールになった外観だ。

コックピットのディスプレイパネルがポップアップ式になっていたり、グリルの細かい模様が走行にあわせて開閉する(キネティックグリル)などギミックも多い。発売は2025年としており、細かいスペックは非公開だ。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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