VWの電動ミニバン『ID. Buzz』、EV展示に追加…米自動車博物館

2023年には北米向けのロングホイールベースが登場予定

初代の「T1」のデザインモチーフを採用

1回の充電での航続は最大で423km

米国ピーターソン自動車博物館のEV展示に追加されたフォルクスワーゲン ID.Buzz
米国ピーターソン自動車博物館のEV展示に追加されたフォルクスワーゲン ID.Buzz全 9 枚

フォルクスワーゲンは10月20日、新型電動ミニバン『ID. Buzz』(Volkswagen ID. Buzz)が、米国ピーターソン自動車博物館のEV展示に追加された、と発表した。

ピーターソン自動車博物館は、米国カリフォルニア州ロサンゼルスにある。ロバートEピーターソン氏によって1994年に設立され、世界中の名車を収蔵。世界最大の自動車博物館のひとつとされている。

◆2023年には北米向けのロングホイールベースが登場予定

ID. Buzzの欧州仕様車は導入当初、全長4712mm、全幅1985mm、全高1937mm、ホイールベース2988mmの標準ボディのみになる。室内は2列シートで、乗車定員は5名だ。ドイツ・ハノーバー工場で生産される。

一方、2023年に北米向けに発表されるロングホイールベース仕様車は、延長されたボディを生かして、3列シートを装備する。前席が2名、2列目が3名、3列目が2名の合計7名乗りを可能にする。なお、北米市場向けのID.Buzzは、ロングホイールベース仕様車の乗用モデルのみになり、2024年に発売される予定だ。このロングホイールベース仕様車の生産拠点は、北米(米国やメキシコなど)を計画している。

標準ボディの2988mmのホイールベースは、フォルクスワーゲンの主力商用車の『T6』比較として、2mm違うだけだ。一方、T6の全長4904mmに対して、 ID.Buzzの全長は192mm短い。これにより、T6と同様の室内長を維持しながら、より小さな駐車スペースに停めることができるという。

◆初代の「T1」のデザインモチーフを採用

ID.Buzzのエクステリアには、初代の「T1」(『Bulli』とも)のデザインモチーフを取り入れた。短いオーバーハングやスペース効率の高さ、V字型のフロントマスクなどがT1から受け継がれた。オプションで、ツートンカラーが選択できる。

バッテリーは、サンドイッチ構造のフロア下に配置されており、重心を低くし、前後重量配分にも配慮した。このレイアウトのおかげで、ID.Buzz の最小回転半径は、5.55mに抑えられる。また、ID.Buzzの全幅は1985mmで、T6よりも81mmワイドだ。全高は1937mmで、T6の全高1970mmと比較して、およそ30mm低くした。アルミホイールは、18~21インチサイズを用意している。

標準ボディの荷室容量は、最大1121リットルを確保した。2列目シートを折りたたむと、荷室容量は最大2205リットルに拡大する。インテリアは、フォルクスワーゲンで初めて、動物由来のレザーの使用をとりやめた。その一方で、リサイクル素材を積極的に用いる。また、インテリアの細かい部分には、伝説的なT1のキャンパーバンのモチーフが生かされているという。

◆1回の充電での航続は最大で423km

ID.Buzzは、フォルクスワーゲングループの新世代EV向け車台の「MEB」がベースだ。モーターはリアアクスルに搭載され、最大出力201hp、最大トルク31.6kgmを引き出す。最高速はリミッターによって、145km/hに制限される。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は82kWh(正味容量は77kWh)とした。1回の充電での航続は、最大で423km(WLTPサイクル)に到達する。

リチウムイオンバッテリーは、出力11kWの交流(AC)を使用して、自宅のウォールボックスや充電ステーションで充電できる。DC(直流)急速充電ステーションでは、「CCS」プラグコネクタを介して、最大出力170kWで充電できる。この場合、バッテリーの最大80%の容量を、約30分で充電できる。

「プラグ&チャージ」と双方向充電を導入する予定だ。プラグ&チャージを利用すれば、充電コネクタを通じて、DC急速充電ステーションで認証を行い、必要なデータをやり取りでき、各種サービスの可能性が広がる。また、双方向充電を利用すれば、ID.Buzzのバッテリーから家庭の電力ネットワークに給電する「V2H」も可能、としている。

《森脇稔》

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