サウンドコンペティターからの支持も厚い名品…morel・SUPREMO[カーオーディオ名機の系譜]

モレル・SUPREMO 602
モレル・SUPREMO 602全 3 枚

カーオーディオ市場には、“名機”と呼ばれる逸品がさまざまある。当シリーズでは、その1つ1つについて“名機”たるゆえんを解説している。今回は、イスライエル発の著名スピーカーブランド「morel(モレル)」のトップエンドシリーズ『SUPREMO』にスポットを当てる。

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◆世界的な老舗スピーカーブランドの最高峰シリーズ、『SUPREMO』!

前回は、フランス発の実力スピーカーブランド「フォーカル」の最上位機種をクローズアップしたが、今回取り上げる「モレル」も「フォーカル」に負けず劣らず長い歴史を誇る、そして日本国内にも多くのファンを有する実力スピーカーブランドだ。

ちなみに「モレル」は、1975年にメイヤ・モルデハイ氏により設立されている。ブランド設立の動機はズバリ、「理想のスピーカーを作ること」だ。なおこの動機の背景には、氏の音楽への愛情があるという。そして「モレル」は以後、ホーム用とカー用のスピーカーの優秀機をさまざま開発し、リリースし続けてきた。

そのカー用スピーカーの中での頂点に君臨するのがこの、『SUPREMO(スプリーモ)』シリーズだ。ちなみに同シリーズのスピーカーは、「サウンドコンペティター」にも広く使われている。音質を極めようとする熱い愛好家からも認められているスピーカー、というわけだ。

さて同シリーズ内には現在、以下のとおり3つのモデルが存在している。16.5cm2ウェイスピーカーシステム(パッシブ付)の『SUPREMO 602』(税抜価格:80万円)、同パッシブレスの『SUPREMO Active』(税抜価格:70万円)、28mmツイーター『SUPREMO PICCOLO ll』(税抜価格:16万円)、この3アイテムだ。

ところで、単品(ペア)での発売はツイーターのみだ。ミッドウーファーとパッシブクロスオーバーネットワークは、コンポーネントキットにて購入しないと手に入らない。

◆象徴的なデザインのグリルにも、音へのこだわりを注入!

さて、当シリーズには「モレル」が長年の歴史の中で培ってきたさまざまな技術が盛り込まれているのだが、実をいうとスピーカーグリルにもこだわりの技術が注入されている。

ちなみにグリルはそもそも、スピーカーの振動板を保護するためのアイテムだ。特にドアスピーカーにはクルマから乗り降りする際に足が当たりかねない。そのような不慮の事故により振動板の破損を防ぐためのものとしてグリルが存在しているのだが、「モレル」のそれは音響パーツとしての役割も果たす。

なお「モレル」のグリルは蓮の花にインスパイアされたデザインが採用されていて、「ロータスグリル」と名付けられている。そしてその独特のルックスは、「モレル」の象徴的な存在ともなっている。

で、この独特なルックスを獲得しているこのデザインは、単に見た目が考慮されているにとどまらない。開けられている穴は形や直径が考えられていて、さらには特定の規則に従って配置されている。

そのようにされているのにはワケがある。1つは、「ホーン効果を得るため」だ。音はこのグリルを通過することで、活力や明瞭感等が付与される。そしてもう1つは、「高周波のピークを除去するため」だ。穴の大きさを変えることで共振周波数に起因する音の乱れが起きないようにされている。

◆2ndラインの『38 アニバーサリー リミテッド エディション』との併用も人気!

ところで、『SUPREMO』にはミッドレンジ(スコーカー)の設定はない。なので3ウェイを構成しようとする際には、カー用スピーカーの2ndラインである『38 アニバーサリー リミテッド エディション』のミッドレンジ、『38 LE ミッドレンジ』(税抜価格:17万円)が使われることが多くなっている。

またはその逆もある。『38 アニバーサリー リミテッド エディション』のミッドウーファー『38 LE ウーファー』(税抜価格:38万円)と『SUPREMO PICCOLO ll』とが組み合わされて2ウェイシステムが構築されたり、そこに『38 LE ミッドレンジ』も足して3ウェイシステムが組まれたりすることもある。

ただし、『38 LE ウーファー』は現状、現品が残り少ない。そして当品は「モレル」の正規輸入代理店である「ジャンライン&パートナーズ」のプレミアムショップの専売品となっている。これを手にしたいと思ったら、早めのアクションが吉と出る。

かくして、「モレル」の『SUPREMO』にて聴ける音は、温かみがあり色艶が美しくコクがある。豊かなサウンドがお好みならば、チェックはマストだ。

《太田祥三》

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