兵庫県西宮市の石井登志郎市長は11月1日、自身のブログで阪急電鉄(阪急)神戸線の「武庫川新駅」(仮称)について、設置等合意書に署名したことを明らかにした。
武庫川新駅は、武庫之荘駅(兵庫県尼崎市)と西宮北口(兵庫県西宮市)駅の間に設置されるもので、その構想は戦前の1942年5月、西宮市と旧瓦木村で交わされた合併条件の覚書に「阪急武庫川西堤防への停留所設置の実現に努力すること」が含まれていたことが端緒となっていた。

新駅は、尼崎市と西宮市の境界となる武庫川上に設けられることになっており、2006年度には武庫川橋梁の架替え工事が完了。2011年からは設置へ向けた具体的な動きが始まり、2016年度までに事業効果を検討した結果、新駅の設置は西宮、尼崎両市にとって人口や税収増が見込まれ、周辺地域の課題解決にも有効であることが判明。河川管理者や近畿地方整備局との協議も重ねられ、2021年9月には検討結果について総合的な報告書がまとめられた。

そして、2022年11月1日には、尼崎市、西宮市、阪急の3者で基本合意書が締結され、構想から80年にしてようやく武庫川新駅の実現へ向けて動き出すことになった。
石井市長のブログによると、開業は遅くとも10年以内を目指すとしており、55億円と見込まれている事業費については、国が3分の1、尼崎市と西宮市がそれぞれ6分の1、 阪急が3分の1の負担を想定。2025年を目途に国への補助申請を目指すという。