レーダー連携で前後ブレーキとサスの減衰を調整、ヤマハの新安全技術を搭載『トレーサー9 GT+』が日本初披露

世界初のレーダー連携ユニファイドブレーキシステムを搭載するヤマハ『トレーサー9 GT+』
世界初のレーダー連携ユニファイドブレーキシステムを搭載するヤマハ『トレーサー9 GT+』全 28 枚

コロナ禍を経て第12世代のバイクブームと言われる中、バイクによる死亡事故数は微増傾向にある。そんな中、ヤマハ発動機は11日、安全ビジョン「人機官能×人機安全」を新たに定めたと発表した。人と機械の相乗効果で、ユーザーとともに事故のない社会を目指すというメッセージだ。

「レーダー連携ユニファイドブレーキシステム」を搭載した『トレーサー9 GT+』

日高祥博社長みずから登壇した発表会では、欧州で発表されたばかりの新型『トレーサー9 GT+』が日本初披露。搭載された世界初の安全運転支援機能が紹介された。

世界初のレーダー連携ユニファイドブレーキシステム

「人機官能×人機安全」は「技術」「技量」「つながる」を軸にした安全をもとに、ユーザーが楽しみながらその能力を高められることで得られる喜びや感動を提供し、共に事故のない社会を目指すというもの。「技術」「技量」「つながる」の3本柱それぞれの新たな取り組みが発表されたが、その中の「技術」において紹介されたひとつが、8日に欧州で公開されたトレーサー9 GT+に搭載された「レーダー連携ユニファイドブレーキシステム(UBS)」だ。

ミリ波レーダーを使ったもので、ヤマハいわく世界初の技術だという。より具体的には、走行中に一定のブレーキ入力があった場合でも先行車との相対速度に応じて、前後のブレーキ配分を調整してくれる。同時に前後サスペンションの減衰力も調整することで、車体のバランスを一定に保ち、安定した走行に貢献するというもの。先行車が急ブレーキを掛けた場合でも、安定した減速や回避操作が可能になる。

さらにヤマハとして初採用のアダプティブクルーズコントロール(ACC)とも連動し、定速巡航・減速・加速を自動的におこない快適なクルージングを可能とするだけでなく、作動中に先行車などと接近しすぎるような場合にはライダーに介入のリクエストを表示。その上でライダーのブレーキが足りず接近し過ぎる可能性があると判断した場合にはブレーキ力を追加するようアシストしてくれる。この場合にもUBSによって、車体のバランスを一定に保ってくれる。ツーリングを楽しむライダーこそ、この機能の効果を実感できるはずだ。

フラッグシップとして進化したトレーサー9 GT+

トレーサー9 GT+はツーリングカテゴリーのフラッグシップとなるモデル。ヤマハの主力である『MT-09』と基本を共有し、定評のある890cc「CP3」エンジンを搭載する。UBS以外にも最新デバイスを追加し、利便性を高めた。

パフォーマンス面では、第3世代となるクイックシフターの搭載が目玉だ。加速時、減速時に関わらずシフトアップ&ダウンに対応することで、快適なツーリングに貢献する。

操作面では7インチ高輝度TFTメーターを新採用。2画面それぞれを、ライディングスタイルや好みに合わせて3つの異なるテーマから設定することができる。またスマートフォンとの連携を標準装備とし、ヤマハの「MyRide」アプリを使用することで様々な機能が利用可能に。タンデム走行でもトレーサー9 GT+を介してヘッドセットをBluetooth接続することで、音楽を共有することも。

さらに、ガーミン(Garmin)のナビゲーションをフルスクリーンで使用可能に。音声による案内もヘッドセットに送信できる。地図データはスマートフォンにダウンロードされるため、通信が途切れた場合でも安定したナビゲーションが可能だという。

日本での発売は2023年夏以降。価格は未定。ヤマハの安全思想を形にした最新のバイクとして、注目の一台だ。

《宮崎壮人》

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