「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」で映像系アプリを満喫するには?…キーワードから読み解くカーオーディオ

「トヨタ・シエンタ」のインテリア。
「トヨタ・シエンタ」のインテリア。全 4 枚

カーオーディオに興味を持って調べてみると、専門用語が多々目に付く。そしてそれらはビギナーを困惑させる。当連載は、その解消を目指して展開している。今回も前回に引き続き、「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」というワードに焦点を当てる。

◆「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」には利点がある。しかし…

最初に、前回の内容を簡単におさらいしておこう。「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」は、一般的な「メインユニット」とはひと味違う。まず、これならではの利点が備わっている。それは主には2つある。

1つ目の利点は、「Apple CarPlayとandroidautoに対応していること」だ。結果、車内でスマホアプリを便利に使える。ナビアプリや音楽アプリを車載機の画面に映し出せて、操作も画面上にて行える。

利点の2つ目は「リーズナブルなこと」だ。Apple CarPlayとandroidautoに対応するがゆえに本体にナビ機能を積む必要がなく、オーディオ機能も簡素化できるので「メインユニット」代が比較的に安くすむ。

しかし、場合によっては不満を持たれることもある。不満と成り得るポイントは3つある。「スマホナビアプリの使い心地」、「映像系コンテンツが楽しみにくいこと」、「オーディオ機能を発展させにくいこと」、これらだ。

というわけで今回からは、これら不満の解消法を解説していく。やりようはある。トヨタ車オーナーは、当記事をぜひ参考にしてほしい。

まず今回は、「映像系コンテンツを楽しみにくいこと」への対処法を説明していく。

「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」に外部入力端子を増設できるアイテムの一例(データシステム・ビデオ入力キット)。「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」に外部入力端子を増設できるアイテムの一例(データシステム・ビデオ入力キット)。

◆「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」には、外部入力端子が付いていない…

ところで、「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」で映像系コンテンツを楽しみにくいのはなぜかというと…。

理由は2つある。1つ目は「外部映像入力端子を備えていないから」だ。昨今は、同乗者のためにYouTubeをはじめとする映像系のストリーミングアプリを車載機に映し出したいと考えるドライバーが増えている。で、「メインユニット」に「HDMI端子」が備わっていればその思いが叶うのだが、「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」には「HDMI端子」が装備されていない。さらにはアナログの映像入力端子もないので「HDMI変換アダプター」を使うという手も使えない。

そしてもう1つの理由は、「Apple CarPlayとandroidautoは映像系のアプリにはナビアプリ以外非対応だから」だ。YouTubeアプリをはじめとする映像系アプリを使えなくする、いわば“リミッター”が搭載されているのだ。

しかし、映像系アプリを楽しむ方法が2つある。まず1つ目は、「外部入力端子を増設する」というものだ。「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」はオプションでDVDプレーヤーや地デジチューナーを足せる。つまり、映像系の信号の入力回路がないわけではないのだ。それを活用して外部入力端子を設定できるようにする市販パーツがいくつか出ている。

そしてさらに「HDMI変換アダプター」も併用すれば、スマホやタブレットのミラーリングが可能となるのだ。

Apple CarPlayとandroidautoで映像系アプリを楽しめるようになる「車載用Android端末」の一例(VISIT・ELA-V10S)。Apple CarPlayとandroidautoで映像系アプリを楽しめるようになる「車載用Android端末」の一例(VISIT・ELA-V10S)。

◆映像系アプリを画面に映し出せる「車載用Android端末」がある!?

そしてもう1つの方法は、「車載用Android端末を使う」というものだ。実はApple CarPlayおよびandroidautoと接続することを想定した車載用端末がいくつかのメーカーから発売されている。それらにはAndroid OSが搭載されていて、アプリをさまざま格納できる。

そしてそれを「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」にUSB接続すると、格納してある映像系アプリを画面に映し出せて画面上での操作も可能となる。つまりこれら「車載用Android端末」は、映像系アプリを使えなくする“リミッター”を解除できるようになっているというわけなのだ。

なおこれらは外部入力端子を増設するためのアイテムと比べると高価だが、「HDMI変換アダプター」を購入する必要がなく、取り付けも簡単(USB端子に接続すればOK)だ。メインユニットの裏側にアクセスする必要はない。しかも、走行中に映像を映し出せるようにするためのアイテムであるいわゆる「テレビキャンセラー」も不要だ。なのでトータルで考えると、外部入力端子を増設するやり方と比べて大きく割高にはならない。しかもミラーリングとは違い、アプリを画面上で操作できるので使い勝手も良い。

だが、スマホのみならず他の外部オーディオプレーヤーも接続したいのであれば、映像入力端子の増設の方が向いている。

今回は以上だ。次回は他の2つの不満点の解消法について説明していく。乞うご期待。

《太田祥三》

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