クルマづくりのDXはどうあるべきか、「ニッサンインテリジェントファクトリー」事例

クルマづくりが複雑化する今、生産現場のDXが急務

自動化技術と匠の技を掛け合わせた新たな生産システム

効率化だけに止まらない、人に優しいDXを

日産自動車 住真夫氏の講演の様子
日産自動車 住真夫氏の講演の様子全 2 枚

100年に1度の変革期を迎えた自動車業界。自動車に搭載される技術だけではなく、生産現場にも変化の波が訪れている。労働力不足やCASEをはじめとする新技術への対応など生産の効率化が求められている中、自動車業界では生産現場にDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入する動きが加速している。

日産では「ニッサンインテリジェントファクトリー」と題して、生産現場のDX化を目指している。要素技術や自動化設備技術、デジタル技術などを開発し、各工場に適応していくことを任務とする部署を設置し、新たなクルマづくりの現場の構築を進めている。

これについて同社の車両生産技術開発本部で生産技術研究開発センター部長を務める住真夫氏が、10月末の「第14回Japan IT Week秋」にて特別講演を行った。

◆クルマづくりが複雑化する今、生産現場のDXが急務

脱炭素社会の実現に向けては、製品のライフサイクル全体でのカーボンニュートラル化が必要不可欠だ。同社では、昨年11月に長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を発表。EV15車種を含む23車種の電動車を投入し、電動車比率を50%とすることを目指している。

日産自動車の車両生産技術開発本部で生産技術研究開発センター部長を務める住真夫氏

電動車を中心とした技術の進化について、住氏は「『リーフ』は当初は200kmに過ぎなかった満充電での航続距離が現在は458kmにまで伸びており、『アリア』では610kmを達成している。この過程でエンジンコントロールユニット(ECU)の数は2倍、通信に使われる信号の数は2.5倍になっており、クルマづくりにもDXが必要と感じた」と語る。


《森口将之》

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