EVのみのドライブインシアター、今年は主演&監督による舞台挨拶も…フランス映画祭2022横浜

EV限定のドライブインシアター(フランス映画祭2022横浜)
EV限定のドライブインシアター(フランス映画祭2022横浜)全 22 枚

フランス映画祭2022横浜」のオープニングセレモニーが、12月1日にみなとみらいホール(神奈川県横浜市)で開催された。主催者やゲストによる挨拶と開会宣言のあと、オープニング映画『EIFFEL』の上映が、ホール内と屋外特設会場のドライブインシアターで行われた。

【画像全22枚】

ドライブインシアターは屋外の広い駐車場に車に乗ったまま入場し、巨大スクリーンを車の中から試聴する映画鑑賞スタイル。昨年のフランス映画祭でもドライブインシアターが設置された。特徴は参加車両がEVに限定されていることだ。

◆30年の歴史を持つ国際的な映画祭

フランス映画祭横浜は30年の歴史がある国際的な映画祭(主催はユニフランス)。横浜市やフランス大使館などが協力するイベントでもある。名前のとおり横浜で1993年から開催されていたが、2000年代に横浜での上映が中断した時期があった。2018年に再び横浜での開催になったとき、グローバル本社を横浜に構える日産自動車が特別協賛に加わって現在に至る。

過去3回は、コロナの影響で上映作品の監督や俳優陣、ゲストや映画関係者の来日がなかった。2022年は3年ぶりに俳優やゲストによるセレモニー、上映ごとの舞台挨拶が復活した。セレモニーにはフェスティバルミューズに選ばれた石田ゆり子さんのほか、オープニング上映作品(『EIFFEL』)の主演俳優 ロマン・デュリス氏、マルタン・ブルブロン監督が登壇し、開会宣言を行った。山中竹春横浜市長、フィリップ・セトン駐日フランス大使、田川丈二日産自動車チーフサスティナビリティオフィサーらも祝辞を述べた。

フランス映画祭2022横浜 オープニングセレモニーフランス映画祭2022横浜 オープニングセレモニー

◆ドライブインシアターの課題をクリアするEV

EVドライブインシアターは、フランス映画祭に合わせて映画祭事務局がEVオーナーに対して参加を募ったものだ。EVであればメーカーを問わず参加できる。『リーフ』『アリア』『テスラ』のオーナーら抽選で20台弱が屋外シアターに集まった。本格的な納車が始まった『サクラ』も参加していた。

EV限定のドライブインシアター(フランス映画祭2022横浜)EV限定のドライブインシアター(フランス映画祭2022横浜)

ドライブインシアターの歴史は古く、発祥の地とされるアメリカでは1920年代からある映画鑑賞スタイルでアメリカ映画文化のひとつだ。50年代、60年代に全盛期を迎えたが、メディアや上映技術の発展にともない80年代あたりから衰退し始めた。従来のドライブインシアターは、エンジンやエアコンをかけたままの映画鑑賞となる。騒音や無駄なアイドリングが問題になる現在は開催場所確保も簡単ではない。

EV限定としたのは、日産が取り組むカーボンニュートラルへの貢献をアピールする狙いがあるが、それだけではない。コロナパンデミックによるソーシャルディスタンスやニューノーマルが、3密回避になるドライブインシアターを見直す動きもある。EVならば排ガスや騒音など気にせずドライブインシアターを楽しめるからだ。また、通常は屋外で夜間の暗さを利用して上映するが、EVならイベントホールなどでも開催することができる。照明を暗くすれば昼間でもドライブスルー上映が可能になる。

CASE車両でもあるEVはコネクテッド機能や車内インフォテインメント機能が充実している傾向がある。屋外の大画面を楽しむのもいいが、車内ディスプレイとの連携や通信機能を使った新しい視聴プログラムやコンテンツを提供できる可能性もあるだろう。

映画祭初日は、夜の冷え込みも厳しかったが、暖房が効いた車の中は非常に快適だ。会場にはキッチンカーも配置されていた。車の中なら食事をしながらの映画鑑賞も気にならない。映画祭の限定イベントだけではもったいないくらいだ。

EV限定のドライブインシアター(フランス映画祭2022横浜)EV限定のドライブインシアター(フランス映画祭2022横浜)

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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