バッテリーの熱暴走に耐えられるプラスチックを計測する…高機能素材Week 2022

トーチアンドグリッド(ToG)試験の様子
トーチアンドグリッド(ToG)試験の様子全 2 枚

電動化ニーズの高まりからリチウムイオン電池の進化も進んでいる。一方、車両部品の樹脂利用も進み、バッテリーパックや周辺部品、ボディ構造材などにも樹脂部品が使われている。素材の難燃性や断熱性の研究も同様に進むが、気になるのはバッテリー火災への耐久性だ。

ULでは、バッテリーセル、モジュール、パックに使われる樹脂部品、あるいはEVやHEVなどに使われる樹脂部品が、どれくらいバッテリー火災への耐性があるかを測定する基準を作り、素材メーカーなどに測定や数値データの提供を行なっている(高機能素材Week 2022)。

「UL2596:電池エンクロージャ熱暴走(BETR)評価」は、1200度のバーナーで素材を加熱(燃や)してその温度変化を測定評価(ToG:トーチアンドグリッド試験)する。現在Editon1の試験仕様が策定され、実際の試験を請け負っている。来年にはEditio2も予定されており、こちらは加熱により強制的に熱暴走を起こさせたバッテリーユニットを使った試験となる。円筒形リチウムイオンバッテリー25本をテスト用のケースに納め、試験する素材をふたのようにして密閉する。このケースを中のバッテリーが熱暴走するまで加熱する。被試験素材にはセンサー(熱電対)が取り付けられ、温度変化や素材の燃え方などが評価される。


《中尾真二》

アクセスランキング

  1. 日産『エクストレイル』e-POWERの9197台でリコール…発電停止と走行不能のおそれ
  2. トヨタ『ライズ』、5色のカラフルなフルーツテーマで登場…土曜ニュースランキング
  3. 【スバル フォレスター 新型試乗】日本車の目覚しい進歩に舌を巻く…中村孝仁
  4. 「かつての『サニー』が随分と立派に…」日産の新型セダンが話題に!進化したVモーションにも注目
  5. トヨタの小型ミニバン『ルミオン』、安全性を大幅向上…スズキからのOEMモデル
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る