クワトロリゴの名を広めた新機軸アンプ『TEMPO』シリーズ[カーオーディオ名機の系譜]

クワトロリゴ・プレシジョンワン
クワトロリゴ・プレシジョンワン全 5 枚

カーオーディオフリークに愛されている、または憧れられている“名機”を毎回1つずつクローズアップし、その魅力を紐解いている当連載。今回は、イタリア発のハイエンドカーオーディオブランド、「クワトロリゴ」の『TEMPO』シリーズをフィーチャーする。

◆2018年にモデルチェンジが敢行され、2ライン構成へと進化!

当連載の過去の回にて、「クワトロリゴ」のパワーアンプのフラッグシップライン『ラ・プリマ』シリーズを紹介したが、この『テンポ』シリーズはそれに続く同社のカー用パワーアンプの2ndラインだ。

ちなみに当シリーズは以前からある「クワトロリゴ」の主戦ラインだが、現在のモデルとなったのは2018年だ。フルモデルチェンジが成され、中身も外観も一新された。なお以前の『テンポ』シリーズのパワーアンプは1系統5機種で構成されていたが、モデルチェンジ後は、『プレシジョン』と『ヘリテージ』との2ライン構成へと刷新された。で、『ヘリテージ』は現在3モデル編成となったが、こちらは従来モデルからの進化版だ。対して『プレシジョン』の方は、完全なる新機種だ。

というのも『プレシジョン』は従来機とは動作方式が異なっていて、A級回路が採用されている。しかも通常のA級回路とはひと味違う独特の方式が取られている。一般的にA級モデルはリッチなサウンドが聴ける反面、待機電流量も消費電流量も多く、そして熱を持ちやすい。なので扱いに気を使わざるを得なくなる。電源を強化する必要があったり、放熱性を考えてインストールしなければならなかったりするのだ。

クワトロリゴ・プレシジョンツークワトロリゴ・プレシジョンツー

◆A級ならではの利点を活かしながらネガティブな面を払拭!

しかし『プレシジョン』の各機は、定格出力こそ『ヘリテージ』の各機と比べて小さめながらも、待機電流量は同等だ。そして特に熱くなり過ぎることもない。実際、放熱のためのパーツであるヒートシンクの作りを見ても、2ライン間で違いはほぼない。

というわけで『プレシジョン』の各機は、A級ならではのメリットが活かされながらもデメリットは抑えられている。結果、より個性的なモデルに仕上げられている。

なお、音質性能的には『プレシジョン』と『ヘリテージ』で甲乙はつけがたい。ともに巷の評価は高く、好みに応じて使い分けられている。パワーを重視するならば『ヘリテージ』に分がありパワーが大きいからこその音的なアドバンテージも発揮する。しかし『プレシジョン』にはA級ならではの個性がある。チョイスの際には聴き比べて選びたい。

ところで新しい『テンポ』シリーズは、『プレシジョン』が加わったこともあり大きな注目を集め、そして搭載車両がサウンドコンテストで好成績を収めるにつれこれを使うコンペティターが増加。近年のカーオーディオ用パワーアンプとして目立ったヒットを記録している。かくして「クワトロリゴ」の名前も、一層の浸透が果たされた。

クワトロリゴ・ヘリテージワンクワトロリゴ・ヘリテージワン

◆ラインナップは全5機種。買うなら年内の決断が吉と出る!?

では、ラインナップを紹介しよう。なお各機の名前にはすべて数字名が付いているが、その数字はch数を表すものではない。『テンポ』シリーズはすべてが2chモデルだ(『ヘリテージ』の中には4chモデルも存在していたが現在は終売している)。

まず『プレシジョン』は以下の2機種で構成されている。

○プレシジョンワン(税抜価格:16万円)25W×2ch A級
○プレシジョンツー(税抜価格:21万円)45W×2ch A級

そして『ヘリテージ』には以下の3機種がある。

○ヘリテージワン(税抜価格:16万円)65W×2ch AB級
○ヘリテージツー(税抜価格:26万円)110W×2ch AB級
○ヘリテージスリー(税抜価格:34万円)170W×2ch AB級

なお、上に記した出力はすべて「4Ω、12V」のときの定格出力だ。一般的にパワーアンプのスペック表に記される出力は「14.4V」のときの数値である場合が多いが、「クワトロリゴ」では敢えて12Vのときと14.4Vのときの2つのスペックを載せている。例えば『プレシジョンワン』の14.4Vでの定格出力は35W×2chだ。つまり各機とも、一般的な記載方法を取る場合にはここに記した数字よりももう少しハイパワーだ。

またここで記した価格はすべて、2023年1月1日からの新価格だ。材料費の高騰と円安により昨年秋以降さまざまなものの価格が上がったが、「クワトロリゴ」もいよいよ価格が少々上げられる。なお年内ならもちろん現状の価格で購入可能だ。実力あるハイエンドパワーアンプを物色していて『テンポ』シリーズが候補になっているのなら、早い決断が吉と出る。

今回は以上だ。次回以降も各社の“名機”を紹介していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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