「DSP」の使用には、重要な注意事項がある[カーオーディオユニット AtoZ]

「DSP」が搭載されたオーディオカーの一例(ジャンライン&パートナーズ・デモカー)。
「DSP」が搭載されたオーディオカーの一例(ジャンライン&パートナーズ・デモカー)。全 3 枚

愛車のサウンドシステムをバージョンアップさせたいと目論むドライバー諸氏に向けて、カーオーディオアイテムの情報を全方位的に発信している当コーナー。現在は、システムにコントロール機能を付与するメカである「DSP」にフォーカスしている。

さて、これまで説明してきたとおり、「DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)には2タイプある。1つが「単体DSP」でもう1つが「パワーアンプ内蔵DSP」だ。で、「DSP」はどちらも、純正メインユニットが取り外しにくい車種にて特に重宝する。

なお、昨今はあらかじめサウンド制御がかけられた純正オーディオが増えつつあり、そしてそれらの多くは後から抜本的なチューニングの変更を行えない場合が多い。そのようなケースでも「DSP」は頼りになる。これを用いれば、サウンドチューニングの再構築を行えるようになるからだ。

しかし、そういった車種で使う場合には1点、留意すべきポイントがある。それは「純正オーディオの音声を適切に入力すること」だ。

これがどのようなことなのかを説明していこう。「DSP」を使おうとする場合、これに「メインユニット」の音声信号を入力する必要がある。「DSP」にスマホやDAPを直接繋げても良いのだが、そうするにせよ「メインユニット」の音声も聴けた方が便利だ。ラジオやテレビの音声も聴きたいし、ナビ音声も出したいからだ。

で、先述したようなサウンドチューニングが成されている純正システムの場合は、各スピーカーに流れている信号をほぼすべて入力しなければならなくなる。本来ならどこか1箇所からフルレンジの信号を取り込めばOKなのだが、このようなケースではフロントスピーカーの各配線には、各スピーカーを鳴らすための信号しか流れていない場合がほとんどだ。なので、各配線に流れているそれぞれを入力し、その上でそれらを合成してフルレンジの信号を作り出す必要があるのだ。

そして配線作業をする際には、それぞれの信号をどこから取り込むかにも知恵を絞る必要性が生じる。なぜなら最近のクルマにはさまざまな周辺機器が取り付けられていて、不適切な箇所から信号を取り込むと、周辺機器が機能しなくなることもあるからだ。例えば、事故等の緊急時にコールセンターとのやり取りをするための機械が組み込まれている場合には、信号の取り込み方を間違えるとコールセンターとのやり取りができなくなることもある。

なので、純正システムが複雑化している車両の場合、「DSP」の取付作業は、ノウハウを持った専門店にて行うことが肝要となる。覚えておこう。

今回は以上だ。次回以降も「DSP」に関する情報をさまざまお伝えしていく。お楽しみに。

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る