【テスラ モデルY 買いました 12】Wi-Fiは必須!ソフトウェア・アップデート時に気を付けたいこと

テスラ車のソフトウェア・アップデート(OTA)時に気を付けたいこととは
テスラ車のソフトウェア・アップデート(OTA)時に気を付けたいこととは全 5 枚

テスラ『モデルY』が発売されたと同時にとっさにポチッてしまった一編集者である筆者。テスラの特徴の一つがクルマの機能が追加されるソフトウェア・アップデートだ。最近は国産車でもアップデートされる車種もあるがテスラほど頻繁にアップデートされるクルマはない。以前簡単に触れたが今回はその詳細をご紹介しよう。

随時“アップデート”で新機能が追加!

ホリデーアップデートが来た!(写真はアプリのスクリーンショット)ホリデーアップデートが来た!(写真はアプリのスクリーンショット)

ボクのモデルY、納車してすぐにアップデートが来た。バージョンは「2022.28.2」。実はボク自身どうやってアップデートができるのか、そのときはまったくわかっていなかった。

テスラはソフトウェアがアップデートできること、そのためにWi-Fiが必要なこと、これは納車前から知っていた。だから自宅ガレージのそばにある自宅の窓近くにWi-Fiルーターを設置して、準備は万端に整えていた。

テスラのWi-Fi設定は簡単だ。タッチスクリーンのWi-Fiマークをタッチすれば勝手にWi-Fiを検索してくれるので、自宅のSSIDを選んでパスワードを設定するだけだ。スマートフォンとまったく同じである。もちろん一度設定すれば、ガレージに停めたときは自動でWi-Fiにつながる。

しかし常にWi-Fiにつながっている意味がよくわからなかったのも事実だ。なにせガレージに停めているあいだ、クルマには乗っていないわけだから。また、詳細は別の機会に紹介するが、テスラはタッチスクリーン内にゲームアプリが載っているのだが、これはスーパーチャージャーなど自宅外での充電中の暇つぶしに使用するものだと思っていた。このときは屋外なので基本的にWi-Fiにはつながっていない。

しかしだ……。あるとき、ふとスマートフォンを見たら、アップデートの通知が来ていた。「いますぐインストール?」。クルマに乗る予定もなかったので、なにも考えずに「はい」をクリック。そうしてなにもせずに放っておいたら、いつの間にかアップデートは終わっていた。

「はい」をクリックすればインストールが行われる(写真はアプリのスクリーンショット)「はい」をクリックすればインストールが行われる(写真はアプリのスクリーンショット)

そのときはなにがアップデートされたのかもわからず、その確認方法もわからなかった。そこでWEBで検索して、“リリースノート”がタッチスクリーン上で確認できることを知り、初めてその内容を把握できたわけだ。

このようにテスラの車載ソフトウェアは随時アップデートされる。最近ではほかの自動車メーカーのクルマでもアップデートされるようになったが、テスラの場合、頻度がほかのメーカーのものとは比較にならないほど多い。以前「2021年モデル3は1年間で13回アップデートされた」と書いた。2022年の今年、日本でのモデルYのアップデートは12月初旬に2回目のアップデート「2022.40.4.2」が来た。

実はアメリカではより頻繁にアップデートが行なわれている。内容は些細なバグ修正のようなものからリコール案件まで。だから日本でのアップデートはアメリカでのアップデート数回分がまとめて行われることもある。実際「2022.40.4.2」では、その前の「2022.36」の分も一緒にアップデートされた。また、リリースノートにも書かれていないアップデートもある。

2つ分のアップデートが来ている。(写真はアプリのスクリーンショット)2つ分のアップデートが来ている。(写真はアプリのスクリーンショット)

最近ではナビゲーションの経路が複数ルート表示されるようになった。これはアメリカでは9月くらいにアップデートされた内容だ。つまり、すべてのアメリカでのアップデートが日本でも同様に反映されるわけではない。日本の法律で許されないものが入っていたり、また、環境が許さないものもあったりするからというのが理由のようだ。

サプライズ級のアップデート「ホリデーアップデート」とは

また、ホリデーアップデートと呼ばれる、毎年クリスマス前に“プレゼント”のようにサプライズ級のアップデートもある。このアップデートは日本では翌年の1月付近に遅れてアップデートされるのが常だったのだが、2022年はなんと12月中旬、まさにクリスマスの前に届いた。今年3回目のアップデートだ。

今年のホリデーアップデートは、アメリカではテスラオーナー待望のApple Musicの搭載や車内カメラを使用するZOOMでのオンラインミーティング機能が目玉として搭載されたのだが、日本での搭載は見送られている。とはいえ、遅れて搭載されることもあるようなので今後に期待したい。

今回の日本でのホリデーアップデート「2022.44.25.3」の個人的な目玉は“オートウインカー”の搭載だ。これは進行中に車線変更や分岐、合流をして、それが完了するとウインカーが自動的に切れるようになったことだ。以前は自分でオフにしなければならなかったので、ときにつけっぱなしにしたままということがあった。それが、自動的にオフになることでずいぶんとストレスがなくなったように思う。

また、エアコンを自動設定しているときの風量も「LO」、「MED」、「HI」から選べるようになった。ボクはエアコンの風量は弱いものが好みなので、この変更も地味に便利だ。その他、音楽再生時の「メディア コントロール」バーの位置などタッチスクリーンの画面が一部変更され、操作しやすくもなっている。

「2022.40.4.2」から最新リリースノートがアプリ上で確認できるようになった。(写真はアプリのスクリーンショット)「2022.40.4.2」から最新リリースノートがアプリ上で確認できるようになった。(写真はアプリのスクリーンショット)

ソフトのアップデートにはWi-Fiが必須!

このように新しい機能が、購入後でもアップデートによって加えられるという「OTA(Over the Air)」という仕組みはテスラがもっとも進んでいると言われている。

通常アップデートはダウンロードとインストールという2段階で行われる。ダウンロードは常につながっている携帯のLTE電波ではプレミアムコネクティビティと言われる有料版であっても機能せず、Wi-Fiが必須になる。Wi-Fiがつながっていれば、ダウンロードは自動で行われ、インストールをするかどうかの通知がアプリに届く。

しかし、駐車場にWi-Fiがない場合は、ちょっと手間がかかることは注意しておきたい。最近は、コンビニなどのWi-Fiもなくなってきているので、クルマを停めた状態でWi-Fiをつなげられる場所が少なくなっている。テスラのサービスセンターに行けばWi-Fiを利用できるが全国津々浦々にあるわけでもない。というよりも大都市圏に数か所あるだけだ。

となるとスマートフォンのテザリングか別途モバイルWi-Fiルーターを契約しなければならない。だがこれらの方法ではそのときどきのアップデートの容量がどの程度あるのかわからないので、契約内容によっては途中から激遅になる可能性も出てくるので不安が残る。ダウンロードさえできれば、あとは自宅でインストールできるのだが、そのダウンロードのハードルが高いのが実情だ。

インストールに関してもその間クルマを稼働させることはできないので注意が必要だ。通知画面では「アップデートには約25分かかります」と案内されるが、実際はもっとかかっている。ボクはいまでは“1時間くらい”だと思ってインストールしているが、実際30分から1時間はかかっている印象。あるとき家族を近くの駅まで送っていこうという話になったが、インストールがまだ終わってなくて諦めたこともあった。

いずれにしても以上のようにテスラはソフトウェアがアップデートされることにより、機能の改善・追加が常に行われるので、クルマが古くなっていくという変化が著しく遅く感じられる。もちろんハードウェアのアップデートがあればそれはできないのだが、もともと搭載されてはいるがソフトウェア的にハードウェアの機能を停止していて、それを機能させることにより“新機能の搭載”がなされることもある。

今回ご紹介したソフトウェアのアップデートによる機能追加は基本的に無料だ。しかし、なかには有料のものもある。これはまた違う回でご紹介したい。

田代真人
福岡県出身。九州大学工学部卒業後、朝日新聞社入社。その後、学習研究社にてファッション女性誌編集者、ダイヤモンド社にて初代Webマスター、雑誌編集長、書籍編集などを経て独立。出版&電子出版、Webプロデューサー、PRコンサルタントとして活動後、現在は、駒沢女子大学教授、桜美林大学非常勤講師を務める。専門は「編集論」。

《田代真人》

田代真人

田代真人 福岡県出身。九州大学工学部卒業後、朝日新聞社入社。その後、学習研究社にてファッション女性誌編集者、ダイヤモンド社にて初代Webマスター、雑誌編集長、書籍編集などを経て独立。出版&電子出版、Webプロデューサー、PRコンサルタントとして活動後、現在は、駒沢女子大学教授、桜美林大学非常勤講師を務める。専門は「編集論」。

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