航続1200km以上、メルセデスベンツの次世代EV…CES 2023

次世代モーターの「eMotors」

抗力係数0.17の空力ボディ

モーターは最大出力204hp

メルセデスベンツ・ヴィジョン EQXX(CES2023)
メルセデスベンツ・ヴィジョン EQXX(CES2023)全 10 枚

メルセデスベンツ15日、米国ラスベガスで開幕したCES 2023に、次世代EVコンセプト『ヴィジョンEQXX』(Mercedes-Benz Vision EQXX)を出展した。

◆次世代モーターの「eMotors

ヴィジョンEQXXは、メルセデスベンツの次世代EV開発におけるエキサイティングな次のステップになる。その目的は、驚異的な効率と航続を備えた次世代EVを開発することにあるという。

ドイツ・シュトゥットガルトに拠点を置くメルセデスベンツの部門を超えたエンジニアリングチームが、EVの航続と効率の限界を押し上げることを目指した。この取り組みには、メルセデスAMGの「HPP(ハイ・パフォーマンス・パワートレイン)」も参画している。

また、メルセデスベンツは、次世代モーターの「eMotors」の開発に、モータースポーツ技術に匹敵する開発スピードを導入した。ヴィジョンEQXXはテクノロジープログラムだが、量産車に早期に搭載されるイノベーションをもたらすことが期待されているという。

◆抗力係数0.17の空力ボディ

メルセデスベンツ・ヴィジョン EQXXメルセデスベンツ・ヴィジョン EQXX

アルビームシルバーで塗装された車体は、水滴のように後方に向かって流れる。リアのディフューザーは格納式で、空気抵抗が増した時に展開する。フロントバンパーには、エアカーテンとエアブリーザーを装着した。ホイールカバーとの組み合わせにより、エアロダイナミクス性能を追求する。抗力係数は0.17。ボンネットの上に冷却空気を導き、必要に応じてシャッターを開く。これにより、ドアミラー周辺の空気抵抗が減少するという。

ローズゴールドのアクセントが施されたグロスブラックグリルの上には、『EQS』を連想させるライトバーが付く。ヘッドライトの内部は2つの星で構成されており、大きい星は光沢のあるセンターレンズの向こう側にロービームとハイビームを収めた。この配置は、フロントバンパーのスターパターンと組み合わせて、将来のメルセデスベンツの市販車のフロントデザインを提示しているという。

ブリヂストンと共同開発されたタイヤは、空力性能を高めるサイドウォールを備えている。20インチの軽量な鍛造マグネシウムホイールには、半透明のダブルスポークデザインのカバーが付く。

◆モーターは最大出力204hp

ヴィジョンEQXXEVパワートレインは、次世代の炭化ケイ素を使用した電気モーター、トランスミッション、パワーエレクトロニクスで構成されている。パワーエレクトロニクスユニットは、メルセデスAMGのハイパーカー『ワン』がベースだ。モーターは最大出力204hpを引き出す。

メルセデスベンツとHPPは、バッテリーの蓄電容量を100kWhと大きくするだけでなく、バッテリーパックを新開発し、およそ400Wh/lのエネルギー密度を実現した。これにより、大容量のバッテリーパックを、ヴィジョンEQXXのコンパクトな車体に搭載することを可能にしたという。バッテリーの単体重量は約495kgに抑えている。

ルーフには117個の太陽電池を搭載した。このシステムは、ヨーロッパ最大の太陽エネルギー研究機関、フラウンホーファーISE(太陽エネルギーシステム研究所)と共同開発された。ソーラーパネルは、航続の拡大にも貢献する。太陽エネルギーは軽量なリチウム電池に蓄えられ、空調、照明、インフォテインメントシステム、その他の電装システムに電力を供給する。メルセデスベンツとパートナーは、太陽光発電を利用して、バッテリーを充電することにも取り組む。メルセデスベンツのテストでは、1回の充電で1200km以上の航続を達成している。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る