ヨークハンドルはもう古い? ステランティスのハイパースクウェアとプジョー『インセプション』…CES 2023

プジョー インセプション・コンセプト(Stellantis Keynote/CES 2023)
プジョー インセプション・コンセプト(Stellantis Keynote/CES 2023)全 20 枚

ステランティスはCES 2023にてコンセプトカー『INCEPTION CONCEPT(インセプション・コンセプト)』に搭載された新しいUI「HYPER SQUARE」(ハイパースクウェア)を発表した。

HYPERSQUAREの画像

◆EVのデザイン自由度を最大限活用

インセプション・コンセプトは、2022年パリショーで概要やティザー画像だけがアナウンスされていたプジョーのコンセプトカー。予告どおり2023年のCESでショーカーがお披露目された。

車両の詳細は不明だが、プレゼンテーションでは、2モーター、100kWhバッテリーを搭載し航続距離は800km。1分あたり30km分の充電が可能とだけ発表された。直線的なデザインがいかにもの近未来EV感を醸す。フロントの3本の縦ライン(DLE)でプジョーであることは一目瞭然だ。車両両サイド、リアドアには自動運転がアクティブであることを示す「AUTONOMOUS」の文字が光る。余談だが日本のレベル3自動運転を示す恥ずかしいステッカーはこのようなインジケーター方式にすべきだろう。

プジョー インセプション・コンセプト(CES 2023)プジョー インセプション・コンセプト(CES 2023)

キャビンは「キャビンではなくラウンジ」をイメージしたという。外観同様に直線的なデザインのシートやインテリアだ。完全フラットフロアを強調しており、くつろげる空間だが、リビングというより「ラウンジ」なのだろう。しかし、停車・駐車中の居室空間を意識しているのは正面ダッシュボード全体に現れるワイドスクリーン(パノラミックシネマスクリーンと表現されていた)だ。スクリーンは前席のシートバックにも配置され後席同乗者も同じ画面または個別の画面を楽しめる。そのためか、フロントシートのヘッドレストが大きくなりシートバックと一体化している。デザイナーはEVのデザイン自由度を最大限活用し、なんら制限なく「ラウンジ」をアレンジしたそうだ。収納スペースも各所に配置している。

プジョー インセプション・コンセプト(CES 2023)プジョー インセプション・コンセプト(CES 2023)

◆「ハイパースクウェア」は26年に市販車採用予定

プレゼンテーションではインセプション・コンセプトは、パーソナライズ機能やさまざまな先進機能を搭載する「ショーケース」でもあるとする。OTAで機能やUIソフトウェアが随時アップデートされる。UIハードウェアにはハイパースクウェアという、長方形の「板」が採用された。ハイパースクウェアは、コンセプトカー発表の直前にイメージ動画とともに紹介された新しい「i-Cookpit」だ。現行i-Cookpitは立体的な表示のメータークラスタとして、すでにプジョーの各モデルに採用されている。ハイパースクウェアは、ハンドルとメータークラスターを一体化させたものと思えばよいだろう。

プジョー インセプション・コンセプトプジョー インセプション・コンセプト

「板」のコーナーには4つの穴が開いており、そこに手や指をかけてハンドル操作を行う。一部の車種で標準採用されだしたヨークハンドルの変形で、ハンドルを握りながら各種の操作を可能にするコンセプトだ。当然ステアバイワイヤーによってステアリング制御が行われる。また「finger tip control」と表現されたタブレット方式のUIと音声認識が、コンソールのスイッチ類の代わりとなる。

ハイパースクウェアが取り付けられるステアリングコラムは、上部がフラットになっている。運転中はここから円筒形のディスプレイがせりあがってくる。4面の局面ディスプレイが配置され、ワーニングや運転関連情報などハイパースクウェアの表示を補う。

プジョーは、ハイパースクウェアを採用した新しいi-Cookpitを2026年には市場投入する予定だ。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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