“渋滞の先頭の見える化”を目指して、NTTデータ/ゼンリン/アルプスアルパインが協業…4月より沖縄で実証実験

NTTデータ、ゼンリン、アルプスアルパインの3社が協業し、ドライブレコーダーを活用した実証実験を開始
NTTデータ、ゼンリン、アルプスアルパインの3社が協業し、ドライブレコーダーを活用した実証実験を開始全 11 枚

アルプスアルパインと「アルパインスタイル」を展開するアルパインニューズは1月11日、2つのトピックスに関するプレス発表会を都内で開催した。そのトピックスの1つ目は、「アルパインスタイル」としてのオリジナルデザインを纏った新型車の発売について。

そしてもう1つのトピックスがこの、NTTデータ、ゼンリン、アルプスアルパインによる新たな取り組みについてだ。さてその内容とは……。

◆「渋滞の先頭が見たい」というユーザーの声きっかけに

当案件が発表されることとなった経緯についてグループ会社であるアルパインニューズ代表取締役社長 酒井龍哉氏は、会の冒頭でこう説明した。

「アルパインスタイルでは、新たなニーズを掘り起こすべく常にお客様の声に耳を傾けている。その中で渋滞に対する不満の声を多く聞く。昨今、渋滞情報はさまざま知れる。しかし、渋滞の原因やいつ解消されるのかといった内容までは分からない。こうしたお客様の不満をなんとか解決できないかと、MDコミュネット(モビリティ・ポータル NTTデータ/内閣府SIP事業)に相談を持ちかけた。それがきっかけで、NTTデータ、ゼンリン、アルプスアルパインの3社による取り組みがスタートした」とのことだ。

つまりこの協業は、「アルパインスタイル」を訪れるユーザーの「渋滞の先頭が見たい」という切なる思いが発端、というわけなのだ。

◆“オンデマンド”で渋滞の状況を画像・映像でユーザーに提供

さて、3社が協業することでどう問題解決が図られるのか。その概要については、NTTデータの公共統括本部 社会基盤ソリューション事業本部 ソーシャルイノベーション事業部 スマートビジネス統括部長の磯 尚樹氏により、以下のように説明された。

まず当プロジェクトでは、「オンデマンド型ドラレコ映像配信プラットフォーム」の構築が目指される。そしてその「Phase1」として、沖縄県にて実証実験を4月から開始する。当地を走るレンタカーに通信型のドライブレコーダーを搭載し、それにて画像・映像データを収集しそれらをクラウドにて管理・分析。その情報がユーザー(レンタカー利用車)に提供される。なおポイントは、“オンデマンド型”であることにある。過去の様子ではなく、リアルタイムの情報を提供しようとするところがミソだ。

この実証実験における3社の役割は以下のとおりだ。NTTデータは全体システムの開発とサーバー構築を、ゼンリンはWebアプリケーションの開発と映像マスキング処理技術の提供を、そしてアルプスアルパインはドライブレコーダーの企画・設計・提供を担う。各社がそれぞれの強みを発揮して、当プロジェクトは形を成す。

NTTデータ、ゼンリン、アルプスアルパインの3社が協業し、ドライブレコーダーを活用した実証実験を開始NTTデータ、ゼンリン、アルプスアルパインの3社が協業し、ドライブレコーダーを活用した実証実験を開始

◆渋滞の発生しやすい場所や、これから走る場所の“今”がわかる

実証実験の内容についてもう一歩踏み込んで説明しよう。具体的な実行項目は3点ある。1点目は「特定地点の映像提供」だ。渋滞発生が想定される地点の画像・映像データを提供し、渋滞の状況や渋滞の原因を把握できるようにする。2点目は「走行経路上の映像情報提供」だ。ドライブレコーダーを装着した車両が通過した走行経路を選択すれば、その径路の画像・映像データを確認できる。3点目は「マスキング処理」だ。ドライブレコーダーから得られた画像・映像に対し、映り込んだ車両のナンバープレートや通行する人の顔などをAI画像認識技術を用いて特定し、モザイク処理が施される。

結果ユーザーは、渋滞の特性を知ることができる。まったく動かないのか、段々動き始めているのか、特定の車線だけが流れていないのか、それらが分かることでベストな対処を行える。

なお当プロジェクトの「Phase2」では、映像データを活用した環境や地域保全、防犯、防災、そして物流でのサービス活用を目指すという。

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《太田祥三》

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