HWエレクトロ、カーコンビニ倶楽部のリース車両に軽EV提供…東京オートサロン2023

HWEエレモK
HWEエレモK全 27 枚

幕張メッセで開催された東京オートサロン2023HWエレクトロ社=HWEは北ホールに構えたブースで、電気自動車のカーリースに関してメンテナンス大手のカーコンビニ倶楽部と包括的業務提携を行い、同社のカーリースサービスにHWE社の軽規格商用車『エレモK』を加えると発表。両社の社長がスピーチを行うという一幕があった(1月13日)。

HWEの蕭偉城社長とカーコンビニ倶楽部の林成治社長が口を揃えたのは環境。「The Essential Piece of Mobility」を掲げて商用BEV(バッテリー式電気自動車)の社会へのインストールを進めるHWE社の蕭社長は「環境への貢献のため、生産を整えて少しでも多くの電気自動車をお届けできるようにしたい」と意欲を示した。林社長は「カーコンビニ倶楽部はもともとクルマや部品を捨てずに修理したほうがいいという発想からスタートした会社」と、企業風土の素地に環境貢献があると語った。エレモKには有蓋バンとトラックがあるが、両方ともリースプログラムに乗るという。今後、電気商用車が街を走り回る姿を見かける機会が増えるかもしれない。

エレモKは、実は日本向けに作られた派生モデルで、元はグローバル市場向けのロングボディ『エレモ』で、いずれも自動車専用道路を走ることができるのが特徴。近年、マイクロ電動モビリティがさかんに提案されているが、日本の地方部では旧国道の作り替えのかわりに無料の高規格幹線道路を作り、国道の代替とするというケースが増えている。その道路を走れない車両はクルマの性能以前の問題で実用になりにくい。エレモKとELEMOはその点をうまく突いた商品と言える。

さらにHWEはオートサロンにおいて、新規に導入を計画している、より大型の電動商用車『エレモL』も公開した。鋼製フレームとアルミボディを一体化させたインナーフレーム構造モノコックボディの有蓋バンだが、これがなかなかに魅力的なモデル。何が魅力的かというと、カスタムベースにうってつけな完全フラットフロアを持っているのだ。

HWEもそこが訴求点になり得るとみたのか、ウッドインテリアを架装した試作モデルを製作し、展示していた。サイドは航空機の貨物ドアのような上開きで、これ一発でマニアの心を捉えてしまいそうだ。バックドアは観音開きだが、元が貨物車なのでドアを180度以上開放することができ、開口面もほぼスクエア。試作モデルはサッカージュニアクラブの移動車をイメージしたそうで、リアにチームの皆がプレイ動画を見られるようなディスプレイも実装されていた。

これはあくまでも試作だが、フラットなフロアと平面部分の多い車体はキャンピングカーのビルダーの関心も引きそうに思えた。貨物車であるためフロント部分以外は窓がないが、通常のバンコン(ワンボックスボディを改装したキャンピングカー)と同じように窓やドアなどのユニットを取り付けていけば、かなりの自由度を持って改装することも可能だろう。HWE社関係者によれば、顧客と改装ファクトリーの仲介も積極的に行っていきたいとのことだ。現在はまだ左ハンドル仕様のみだが、現在右ハンドルモデルを開発中であるという。最新のBEV、アルミボディ、それでいてロシアのレトロミニバンUAZ『2206』のようなノスタルジックな要素も併せ持つ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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