これ1台で店舗・事務所、HWE『エレモL』はただのバンではない…東京オートサロン2023

東京オートサロン2023:HWEエレモLの移動オフィス架装
東京オートサロン2023:HWEエレモLの移動オフィス架装全 27 枚

東京オートサロン2023に出展したHWエレクトロ=HWEは会場で新型のEV商用バン『エレモL』を発表し、そのカスタム例として移動オフィス的な架装を施した車両を展示していた(1月13~15日、幕張メッセ)。

HWEは小型EVや軽規格のEVをいち早く日本に提案した企業だ。すでに平台の小型EVトラックやダンプタイプなども製品としてラインナップしている。『エレモL』は積載量が1.2トン(乗員2名含む)。全長約4.5メートルと海外の商用バンのようなサイズで、今後需要が見込まれるラストマイル輸送への活用が期待される。

だが、そこはオートサロン。HWEもただ新型車投入だけではカスタムカーの祭典に出てこない。ベース車両展示の奥にグレー塗装の架装車が展示されていた。横にターフを広げるなどキャンプ仕様かと思ったら、移動オフィス的な内装だった。荷室は長椅子やテーブル、モニタ、リアゲートドアにはツール類が収納できるパネルになっていた。大人4人が座れるテーブルと長椅子を設置しても運転席との間にはかなりの空間が残っている。荷室寸法は2980×1690×1320(LWH)となっている。

荷室の広さとEVという特徴から、エレモLの用途は商用バン、中型トラックの枠にとらわれない。キャンピングカーのベース車としてもよい。展示車がそうであるように電源とエアコンなどを装備した移動オフィスとしても使い勝手がよさげだ。事務スペースを確保しても商品やツール類を積み込むことができる。棚や収納を工夫すれば、移動店舗、移動オフィスとして使える。キッチンカーも問題ないだろう。

EVなので駐車中でもエアコンやPCその他を気兼ねせず使える。展示車両は、長椅子の下やリアドアパネルにAC100VのアウトレットやUSBポートを備えていた。モバイルルータがあればネット接続も可能だ。ウクライナ戦争でもインターネットインフラとして活躍した「Starlink」を契約すれば、山間部、離島でも圏外知らずの衛星インターネットも利用できる。ちなみにStarlinkは偶然にもオートサロン初日に初期費用・月額費用を半額にすることを発表している。

EVの場合、航続に不安があるかもしれない。エレモLは43.5kWhのLFPバッテリーを搭載し、フル充電で210km(WLTC)の走行が可能だ。急速充電は30%から80%までで30分。普通充電が0%から100%までが8時間。毎日200kmも300kmも移動するのでなければ運用は不可能ではない。トルクも265Nmあるそうで、移動オフィスにしてもパワー不足を感じることもなさそうである。

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  3. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  4. 【フィアット 600ハイブリッド 新型試乗】意外にもBEV版よりスムースで快適! 価格にも「親近感」…島崎七生人
  5. 車内で動画やサブスクが見放題!Apple CarPlayも!データシステム『U2KIT』はディスプレイオーディオ革命だPR
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  3. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
ランキングをもっと見る