2023年WRC開幕戦、トヨタが1-2フィニッシュ 勝田は6位

2023年WRC開幕戦モンテカルロで優勝したトヨタのオジェ(右/左はコ・ドライバーのヴァンサン・ランデ)。
2023年WRC開幕戦モンテカルロで優勝したトヨタのオジェ(右/左はコ・ドライバーのヴァンサン・ランデ)。全 8 枚

2023年世界ラリー選手権(WRC)開幕戦「ラリーモンテカルロ」が1月19~22日に開催され、トヨタのセバスチャン・オジェが優勝を飾った。トヨタは1-2フィニッシュで上々のシーズン滑り出し。勝田貴元は6位だった。

◆3年連続のタイトル独占に挑むトヨタ

2位の#69 ロバンペラ(トヨタ)。2位の#69 ロバンペラ(トヨタ)。

トップカテゴリーの車両規定が「Rally 1」の時代になって2シーズン目のWRCが開幕を迎えた。今季も最前線を戦うのは「トヨタ GRヤリス Rally 1 ハイブリッド」、「ヒョンデ i20 N Rally 1 ハイブリッド」、「Mスポーツ・フォード プーマ Rally 1 ハイブリッド」の3車種ということになる。

3年連続の“王座独占”を目指すトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team=TGR-WRT)は、#69 カッレ・ロバンペラ(昨季王者)と#33 エルフィン・エバンスがレギュラーのワークス登録ドライバーで、#17 セバスチャン・オジェ(8冠王者)と#18 勝田貴元が3台目のワークス枠をシェアする体制で2023年シーズンに臨む(勝田はワークス初昇格)。

#18 勝田は今季も全戦にGRヤリス Rally 1 ハイブリッドで参戦するが、#17 オジェが出走するラリーではワークス登録外として走るかたちになる。オジェは昨季に続きパートタイム参戦の予定で、オジェ不在時は勝田がワークス登録で走る(開幕戦にはオジェが出走するため、勝田の“TGR-WRT登録初戦”は第2戦以降)。

◆オジェが自身9回目のモンテ制覇を達成

優勝の#17 オジェ(トヨタ)。優勝の#17 オジェ(トヨタ)。

今年も開幕戦はラリーモンテカルロ、“伝統のモンテ”だ。このラリーを支配的な流れで制したのは#17 オジェ。僚友の若き新王者#69 ロバンペラを従える格好で、トヨタ開幕1-2を牽引する完勝劇を演じた。

フル参戦は2021年で終えたオジェ(現在39歳)だが、2013~18、20~21年に8度のドライバーズタイトルを得た力量に陰りなどまったく感じられない。昨年のスペイン戦以来のWRC通算56勝目で、モンテ制覇は2年ぶり9度目となった(WRCとして開催されたモンテの優勝は8度目)。

モンテ9勝は、昨季のモンテでオジェとの争いを制して優勝したセバスチャン・ローブに再び1勝差をつける単独最多記録とのこと。これでオジェ、WRCモンテは2013年から11年連続で優勝か2位である。

開幕1-2フィニッシュを喜ぶトヨタ陣営。開幕1-2フィニッシュを喜ぶトヨタ陣営。

優勝したセバスチャン・オジェのコメント
「完璧な週末だった。このラリーは自分にとって大きな意味があり、勝つことは常に特別なんだ。だから優勝の喜びを満喫したい。自分自身、そしてチームのことも誇りに思うよ。この週末はチームにとってかなり優位な展開だった。今回も素晴らしいクルマを提供してくれたトヨタに感謝している。1-2フィニッシュでシーズンをスタートできたのは素晴らしいことだし、カッレ(ロバンペラ)も良いパフォーマンスを見せてくれた」

「昨日はもっと速く走れるとわかっていながら、リスクを冒したくないという気持ちが強く、ナーバスになっていた。でも、今日はもっと純粋に走ることができると思っていて、実際にラリーの終盤を楽しむことができた。ヴァンサン(コ・ドライバーのヴァンサン・ランデ)がWRCで初優勝したことも本当に嬉しい。彼と組んで2戦目だったにも関わらず、私のサイドシートで完璧な仕事をしてくれた。優勝に相応しい働きであったと思う」

◆王者ロバンペラは2位に「満足の週末」。勝田貴元6位

3位の#11 ヌービル(ヒョンデ)。3位の#11 ヌービル(ヒョンデ)。

昨季王者の#69 ロバンペラが2位、トヨタは1-2フィニッシュと幸先の良い出足になった。ロバンペラにしてみれば、優勝がフル参戦ではないオジェということは、最年少で獲得した王座の防衛に向けて“実質白星スタート”と考えていい結果かもしれない。本人も「非常に満足できる週末だった」とコメントしている。

3位はヒョンデの#11 ティエリー・ヌービルで、4位にトヨタの#33 エバンスが続いた。5位はMスポーツ・フォードに6年ぶりに復帰した2019年王者#8 オット・タナク(2018~19年トヨタ、20~22年ヒョンデ)。そして6位に#18 勝田という上位結果だった(トヨタ勢が1-2-4-6)。

#18 勝田は最終日、最終ステージを前に#8 タナクとの差が0.1秒まで縮まり、逆転5位浮上の期待もかかった。しかし最終ステージ走行中に“マシントラブル&アクシデント”らしき状況(ゴール時点で詳細は不明)があり、大きく遅れながらも走り切って6位キープ、という終幕になっている。

今季のWRCは全13戦の予定。ラリージャパン(主催:豊田市など)は11月16~19日に最終戦としてスケジュールされている。

※上記の結果、内容は日本時間23日午前8時の段階の情報等に基づく

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る