[低音強化]音に効く「電源&信号配線法」とは…

パワードサブウーファーの一例(DLS・ACW10)。
パワードサブウーファーの一例(DLS・ACW10)。全 3 枚

な問題で、超低音までをスムーズに再生しきれないからだ。しかし「低音強化」を行えば状況を変えられる。当特集では、その実践方法を多角的に解説している。

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◆電源配線では「バッ直」が基本! そうである理由とは…。

今回は、「配線法」について説明していく。「低音強化」を行うには、超低音を再生する専用ユニットである「サブウーファー」を導入することになるわけだが、電源配線と信号配線とを行わなければ音を出せない。そしてそれらの作業は実は、簡単ではない。注意事項やコツがさまざまあるのだ。さて、どのような注意点があるのかと言うと…。

まずは電源配線について説明していく。結論から入ろう。「サブウーファー」を導入する際の電源配線は、基本的に「バッ直」という方法にて実行されることとなる。なお「バッ直」とは、車両のメインバッテリーから電源を直接引き込む配線方法のことを指す。

ちなみに一部の「パワードサブウーファー」ではそれがマストではないのだが、音のことを考えるならそのようなケースにおいても「バッ直」を行った方が良い。なぜなら、「他の電装品と電源ケーブルを共有したくないから」だ。例えばヒューズボックスに来ている電源線を分岐させて電源を取る場合、その分岐させる元々のケーブルには他の電装品も繫がっている。なので、他の電装品がたくさんの電力を必要とする瞬間には「サブウーファー」には十分な電力が届かなくなる。

◆「バッ直」を行えば、瞬間的な電力不足も回避可能に!

というのも「サブウーファー」は振動板が大きく、それをしっかりストロークさせるには多くの電力が必要となる。さらにいうと、例えばロックの楽曲では一定のパターンでバスドラムが鳴らされる場合が多いが、その度に実は多くの電力が必要となる。大きな音量の低音を鳴らすときには特に、多大な電力が消費されることとなるからだ。だが「バッ直」を行っておけば常にスムーズな電力供給を行える。これが音に効くのだ。

続いては、信号配線について説明していこう。なお、使用している「メインユニット」にライン出力(プリアウトまたは外部音声出力とも呼ばれることもある)が備わっている場合には、信号配線作業は難しくない。そのライン出力端子と「パワードサブウーファー」の入力端子、または「サブウーファー」を鳴らすための「パワーアンプ」の入力端子とをラインケーブルで繋げば、配線作業を完了できる。

でも「メインユニット」の中には、ライン出力端子を備えていないものも多くある。その場合には、信号配線作業はひと筋縄ではいかなくなる。

◆「ハイレベルインプット」を活用すれば、「サブウーファー」の追加が可能に!

さて、「メインユニット」にライン出力が備わっていない場合にはどうすれば良いのかと言うと…。

そうであったら、スピーカー出力を活用するしかない。「パワードサブウーファー」や「外部パワーアンプ」には、「ハイレベルインプット」と名付けられた入力端子が備わっている場合が相当に多い。そこにスピーカー出力を入力すれば信号配線を完結できる。

なお「ハイレベルインプット」とは、「メインユニット」の内蔵パワーアンプにて増幅された後の信号を入力するためのものだ。で、そこにスピーカー出力を入力すると、「パワードサブウーファー」や「外部パワーアンプ」内でその信号を一旦微弱な状態に戻せる。その上で適切に信号を増幅し直して、「サブウーファー」をドライブする。

ただし、「ハイレベルインプット」を活用する場合の配線作業には手間がかかる。スピーカーケーブルをどこかで分岐させる必要性が生じるからだ。

そしてその分岐作業には、経験とセンスが必要となる。スピーカーケーブルの中には高音信号しか流れていない場合もあり、そういったケーブルから信号を分岐させても「サブウーファー」は鳴ってくれない。さらには、「サブウーファー」までの配線作業をしやすい場所にて分岐させたい。作業の合理性にも配慮すべきだからだ。

ところでスピーカー出力を分岐させる作業は、左右のchにて行うこととなる。「サブウーファー」は1発だけしか投入されないことが多いが、その場合には左右の信号を合成した上で入力する必要がある。そうしないと情報が欠落し、正しい再生を行えないのだ。

今回は以上だ。次回はボックスの固定法について解説していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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