バッテリー交換式電動バイクによるフードデリバリー、Uber Eatsとガチャコが協業

「ENEOSマルチモビリティステーション」に設置されたガチャコのバッテリーステーション
「ENEOSマルチモビリティステーション」に設置されたガチャコのバッテリーステーション全 13 枚

電動バイク向けバッテリーシェアリングサービスを展開するガチャコは、Uber Eatsと協業して自転車を使っていた配達員にバッテリー交換式電動バイクを貸与する実証実験を開始。2月2日、「ENEOSマルチモビリティステーション」でバッテリーを交換する様子を披露した。

◆フードデリバリーにおけるサステナブルかつ効率的な配達が目的

ガチャコは、ENEOS、ホンダ、カワサキモータース、スズキ、ヤマハ発動機の5社が設立した新会社が提供する、電動バイク向けバッテリーのシェアリングサービスを展開する会社だ。同社は昨年より自治体および省庁と連携し、電動バイク向けのバッテリー交換ステーションを活用したインフラの整備を進めてきたところでもある。

今回の協業により、ガチャコではUber Eatsと共にゼロエミッション化の実現を推進し、フードデリバリーにおけるサステナブルかつ効率的な配達を目的として電動バイク利用を加速していく考えだ。

また同社では、電動バイクおよびバッテリーのシェアリングサービスを展開するにあたって、ソフトバンク系のオープンストリートと業務提携し、そのプラットフォーム「HELLO MOBILITY」を活用する。一方、今回の実証実験では、配達員10名に1月31日から3月31日までの2か月間にわたって電動バイクを超低額の1円/月で貸与し、代わりにバッテリー交換実績などのデータをこのプラットフォーム上で収集する。

実験で貸し出される電動バイクは、ホンダのバッテリー交換式電動バイク『ジャイロキャノピーe:』で、法人を対象にしたリース専用品になっているとはいえ、バイク大手4社が共通仕様とした脱着式バッテリーを採用する日本国内唯一の電動バイクとなっている。

バッテリーの交換方法はとても簡単だ。ジャイロキャノピーe:のシートを上げると、そこには2本のバッテリーが装填されており、専用のICカードをステーションにかざして認証を終えた後、空いているスロットにバッテリーを返却。代わりに満充電となっているバッテリーをステーションから取り出し、ジャイロキャノピーe:にバッテリーを装填すれば終了だ。これで利用者は充電時間を気にすることなくすぐに走り出すことができる。

◆「2024年3月までに都内で70か所に設置する目標を掲げる」ガチャコ社長

ガチャコの渡辺一成社長によれば、「このサービスに対応したステーションは今回のを含めて東京で7か所、大阪で1か所を展開しており、24年3月までに東京23区内だけで70か所に拡大する目標を掲げている」という。これが実現すると3km四方に1つのステーションが運用されることになり、使い勝手は大幅に向上することになる。また、このステーションの利用はUber eatsに限らず、他の利用者も想定しているという。

また、Uber Japan 事業開発部門本部長の安 承俊氏は、「現在、13万人を超えるUber Eats配達員の多くが自転車あるいは原付バイクを使っている中で、近年は広範囲の配達が可能な原付利用の比率が高まっているところだ。そこで、中長期的により環境負荷の少ないサステナブルな移動手段を配達員に紹介したいと考えた」と話していた。

なお、「ENEOSマルチモビリティステーション」は2月1日に開所式を実施。ここでは、オープンストリートが提供する電動アシスト自転車6台と、電動バイク(ホンダ・ジャイロキャノピーe:)6台、電動小型自動車(トヨタ『C+pod』)2台のほか、LUUPが提供する電動キックボード6台をシェアリングされる。このうち、ガチャコのバッテリーステーションでバッテリーが交換できるのは電動バイクのみが対象となる。それぞれの利用アプリを登録することで、誰でも利用はできる。

《会田肇》

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