リニアのボーリング調査に静岡県が反発…山梨県と静岡県の断層つながりに懸念 リニア中央新幹線問題

リニア山梨工区での施工の様子。高速長尺先進ボーリング調査は静岡県へ説明後の2月21日から開始された。
リニア山梨工区での施工の様子。高速長尺先進ボーリング調査は静岡県へ説明後の2月21日から開始された。全 3 枚

斉藤鉄夫国土交通大臣は2月28日に開かれた定例会見で、JR東海が2月21日に山梨県~静岡県境間でリニア中央新幹線工事のボーリング調査を開始したことについて記者の質問に答えた。

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この調査は、直径12cmの高速長尺先進ボーリングにより2月3日に開始される予定だったが、1月31日に静岡県から、静岡県内の地下水が流出する懸念が示されていたことを受けて、国交省がJR東海に対して、科学的・工学的な考え方を文書で伝えるよう指導・助言したことにより延期されていた。

これを受けてJR東海は2月20日、静岡県に対して「県境から約800m離れた位置から開始するものであり、十分離れた静岡県内の水資源に影響はないと考えています」として、県境から約100mに接近した際は特に慎重に実施すると回答している。

この100mについては、青函トンネルの掘削工事において前方からの湧水の影響を避けるため、普通の地山で10~15m程度、断層部で20~30m程度の区間を確保しており、断面積が小さいボーリングの場合、100mは工学的見地からじゅうぶん余裕があるとしている。

これに対し静岡県は2月22日にJR東海へ示した回答で、100m区間の脆い断層が静岡県内の断層と繋がっていることの懸念を考慮していないと反発。青函トンネルの事例は参考にならないとし、川勝平太知事は2月28日の定例会見で3月中旬に予定している静岡県の専門部会で改めてJR東海から説明を求める考えを示した。

このJR東海と静岡県のやりとりについて斉藤大臣は「データを示しながら静岡県と丁寧な対話を進め、必要な対応を行う旨を明記した文書を静岡県に対して提出の上、ボーリング調査を開始したと承知しています」と述べた上で、JR東海の真摯な対応を継続して指導する考えを示すに留めている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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